蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2006年01月21日(土) ゆきー、ゆきー

朝、カーテンを開けると結露したガラス窓の向こうがぼんやりと白っぽい。ハッとして指でぬぐえば目にまぶしい雪景色だ。道路には粉砂糖をふるったようにうっすらと、ベランダの柵や庭木にはぽってりと、真新しい雪が積もっている。ひさしぶりだ。雪を見るとやっぱり札幌に住んでいた頃を思い出す。なつかしくてうれしい。ゆきー、ゆきー、と相方に連呼する。

家でのんびり雪を眺めていたいのに、こんな日に限って仕事で、そう思いながらもどこかしら嬉々として出かける。雪はいやおうなしに気分を高揚させるのだ。

まだ人もまばらな山手線に乗る。走る電車から見る雪は勢いよく真横に降っていて、ならぶ線路の先、いつもは猛獣のような歌舞伎町ですら、今朝は雪をかぶっておとなしく眠りについている。この感じ、前にもあったな。たしか昨年、雪が降ったときも同じことを思ったような気がする。

栗田有起『オテル モル』読了。悪夢は悪魔。お客様に最良の眠りと快夢を与えるために最善を尽くす、地下13階建てのホテル、「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」をめぐるお話。栗田さんの空想癖の片鱗を見る。おもしろいおもしろいと引き込まれ、あっという間に読みきる。もし睡眠に問題が出るとすれば私の場合、不眠じゃなくて嗜眠だろう。朝になっても起きられない。目が溶けるくらい眠る。今でも似たようなものだが、仕事に行くのでかろうじて起きているという始末。


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