蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2005年12月26日(月) 鳥たち

仕事場の裏手は少し前から山茶花(サザンカ)が満開で、濃い緑色の葉と濃いピンク色の花にうもれるようにときどきメジロを見かける。抹茶色のきゅっと締まった小さな体がもこもこと枝の間を動く。朝のうちの、まだ人があまり通らない静かな時間にしか見ない。

メジロはたぶんうちのまる(文鳥)より小さいはずだ。まるを飼いはじめてから鳥という生き物をまじまじと観察するようになり、なでたり突付いたりしかったり甘やかしたりするうちに、体つきの細部や表情がよく見えてきて、しまいにはまるが何を考えているのかがわかるようになった気さえする。そうするうちに、外にいる他の鳥たち、スズメやヒヨドリやメジロまでもが何やら親しいものに感じられはじめる(カラスとドバトは除く。彼らは1羽ならそれなりにかわいいけれど集まるとたちが悪い)。朝のメジロも、距離はそれほど近くないのに羽の質感や顔つきやがくっきりと見てとれる。立ち止まり息を殺して見つめる。不思議なものだ。

この頃のまるは背中を人差し指でそっとなでると、ふるふるふると尾羽を動かす。どうやらぞくぞくするらしい。気持ちいいのか悪いのか、少し身をかがめ恍惚とした表情をしている。なでるのをやめるとハッと我に返り、とたんに反撃に出て私の指を噛む。


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