蜜白玉のひとりごと
もくじ|かこ|みらい
週末は晴れれば自転車に乗るので日焼けが気になる。今更という気もしないでもないけれど、基礎化粧品を美白効果のあるものに変え、下地クリームはSPF50で対抗する。頬のいちばん高いところにシミがその存在を誇示しはじめている。女27歳、今からでも間に合うか。
火曜日は朝からめまいと吐き気がして、気持ち悪くて動けないので、しぶしぶ仕事を休む。午後になるとめまいと吐き気は消え、頭痛に変わる。薬を飲むためにバナナマフィンとりんごジュースをお腹に入れ、再び夕方まで寝る。夜にはほとんど回復し、晩ごはんの買い物に近くのスーパーへ行く。歩くと少しふらふらする。
イライラをまき散らしながら仕事をする人が近くにいるというのは、あまり気分のいいものではない。引きずられてはいけないと思い平静を装うけれど、それもなかなか骨が折れる。イライラは伝染病のように蔓延し、気がつけば一体の雰囲気が険悪なものになっている。負(マイナス)の渦の中で、傷ついたり、ひどく疲れたり、いがみ合ったり、動作が乱暴になったり、攻撃的になったりする様子を見ていると、自分まで消耗していく気がしてならない。
そんな中で連日、ひと回りもふた回りも年上の人たちのそれぞれの愚痴や泣き言を聞く。とてもよく解る話もあれば、この期に及んで何を言っているんだろうなこの人は、と思う話もある。なだめ励まし、必要があれば笑い飛ばし、時にともに嘆く。こちらがひよっこだからか、みんな驚くほど遠慮なく自分の思いをさらけ出す。つくづく思う。歳をとるだけでは大人にはなれない。
誰かに優しくするには、その人の気持ちを推し量ることができてはじめて可能であって、気持ちという目に見えないものをとらえるには想像力が必要なのだ。同時にもうひとつ必要なのはよく見ること。観察する目。じっくりと見れば手に取るようにわかることがたくさんある。
迷いなくすっくと伸びた立葵(タチアオイ)が今とてもきれいで、こういう素朴で野性味あふれる植物が好きだ。ノウゼンカズラにしても一重のバラにしてもそれは同じ。そっけないくらいの飾り気のなさが美しく見える。通りがかった家の庭先に立葵を見ると、モヤモヤした気持ちもいくらかすっきりする。
|