蜜白玉のひとりごと
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仕事の合間、ふっと集中力が切れる。訪れたことのない何千キロも離れた土地を想像する。ここにいないことはいつもと同じはずなのに、心細さに指先がぞわぞわする。
ここ数日、「猫を飼いたい病」にかかっている。三毛猫の里親募集記事を見てしまったのがいけなかった。まだあどけなさの残る三毛猫の写真から目が離せない。記事を見た夜、相方にその話をする。飼いたくなってるだろ、と指摘される。はい、その通りです。
次の日もまだ猫のことをぐずぐず言っていると、そうか、そんなに飼いたいか、と思案顔の相方。うーん、飼いたいのは飼いたい、すごく飼いたい、でも・・・、とあいまいな返事しかできない。誰がなんと言おうと飼う!と宣言する前に、いろいろ考えなければならないことがある。飼うとなったら一生なのだ。病気になっても、年老いても、家族形態が変わっても、住む家が変わっても。
あの記事の三毛猫のことが頭から離れなくて、後日こっそり保護者にメールを送る。あの三毛の里親はもう決まりましたでしょうか。気になって仕方ないのです。もしまだ決まっていないようでしたらご連絡ください。すると数日後、返事が来る。あの三毛は掲載とほぼ同時期に、貼り紙を見た方が里親になってくれました。今は柚子という名前でかわいがってもらっています。お申し出ありがとうございました。
よかった、決まったんだ。ほっとしたのと同時に少しさびしい感じもする。もしかしたら一緒に暮らすことになったかもしれない、ちょっと生意気そうな顔をした三毛猫。いつか、そのうち、猫とともに暮らすのもいいなと思う。
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