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蜜白玉のひとりごと もくじ|かこ|みらい
PR誌「ちくま」については前にも書いたけれど、その表紙裏に「という、はなし」という短いお話が載っている。これが本当によくできた「作り話」なのだ。現実の世界からついっとお話の世界へ入る。このドアを開けたら、そこの角を曲がったら、本屋さんで目に付いた本をぱらぱらめくったら、いつの間にかもう別の世界にいる。あれ?上手なうそつき、この感じ、クラフト・エヴィングなんとかに似ているな、と思ったら、「という、はなし」を書いている吉田篤弘さんは、クラフト・エヴィング商會の人だった。お話の世界と言っても、見える景色ががらりと変わるわけではない。ずっとそこにあったのに今まで気がつかなかっただけ、という程度の小さな変化。ちょっと横にずれるという感覚だ。吉田篤弘さんはすでに小説を数冊出されている。読んでみよう。
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