蜜白玉のひとりごと
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| 2005年01月07日(金) |
テレビ/『リトル・バイ・リトル』 |
ひとりで家にいるとき、テレビがついていると孤独が色濃くなる。昔は違った。学生時代にひとり暮らしをしていたときなんて、起きている間はずっとテレビかラジオをつけていた。部屋にはいつも音があって、それが当たり前だったのに。
夕方家に帰ってくると、とりあえずニュースと明日の天気を見るためにテレビをつける。6時台の後半、そして7時台のニュースを見ればひととおり情報が入ってくる。難しいのは次にテレビを消すタイミングだ。そのまま放っておくと、テレビはこちらに構うことなく大きな音や笑い声をまき散らす。そこだけがバカみたいに明るくにぎやかで、反対にテレビ以外のもの(テレビを見る私も含めて)がしんと静まりかえっているのが浮き立つ。
消そう。消して本でも読もう。消すとき、ほんの一瞬躊躇する。音が消えることをおそれているのか、外とのつながりが切れることをおそれているのか、なぜなのかはよくわからない。思い切ってぶちっと消す。消してしまえばこちらの勝ちだ。静けさは今度は私の見方になる。
そば茶をいれて寝そべって本を読む。島本理生『リトル・バイ・リトル』には煮え切らない若者が出てくる。なんとなく、な生き方。いやだなあと思いながらも、でもこんなもんだったかもしれないと思いなおす。あの頃に比べれば、今はとてもすっきりしている。
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