蜜白玉のひとりごと
もくじ|かこ|みらい
窓の外の明るさにひかれてぱっとおもてへ出ると、思いのほかひんやりとした空気。それでも日なたでじっとしていると日ざしのあたたかさに体がぽかぽかしてくる。建物の裏手にはいろんな植物がごちゃごちゃと植えられていて、それらはみんな一様にほったらかし。その中で山茶花のつぼみがぷっくりとふくらんでいるのを見つけた。ごちゃごちゃの中で山茶花だけが急に存在感を増す。朝晩の冷え込みもなんのその、あと数日で咲き出しそうな気配。
さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき
食後の眠気を吹っ飛ばすため、外でストレッチ。背中をぐーんと伸ばそうと手近な柵につかまる。ふと見ると、つかまっている手のまさにそのすぐ横に茶色のかまきりが。
ぎゃっ!と思ってあわてて手を引っ込め、今度は息をひそめてじっとかまきりを観察する。茶色の枯れ枝のようなかまきり。細くて小さめの体には、左のカマがない。首をぐるりとひねって三角の顔でこちらを睨んでいる。しかし本当のところはどこを見ているのかよくわからない目だ。あまり近づくと引っ掻かれそうなのでやめておく。
部屋は暑いのに、背中がぞくぞくする。早く帰ろう。
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