蜜白玉のひとりごと
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| 2004年01月09日(金) |
冷凍庫/『だれかのことを強く思ってみたかった』 |
一昨日から東京は冷凍庫のように冷えている。特に夜は寒くてかなわない。東京の、このスースーする寒さにはどうも慣れない。札幌みたいに雪があった方があたたかく感じるのはなぜなのだろう。
角田光代『だれかのことを強く思ってみたかった』を読み終える。ショートストーリー17編からなる。途中、佐内正史の写真が見開きいっぱいに広がる。写真には東京のいろんな場所が写っている。その中には場所を特定できるものもあって、例えば、お台場海浜公園の一角だとか東京タワーの近くだとか都電荒川線の鬼子母神前駅なんか。
それに具体的な場所はわからないまでも、なんとなく見たことがあるような、ないような、そんな風景がある。草ぼうぼうの空き地、うらぶれた商店街、壁いっぱいの落書き、柵の向こうの線路、傾きかかった家・・・。どこかで見たような気がする。どこで見たのだろう。その時私は誰とその町を歩いていたのだろう。思い出そうとしてもうまく思い出せない。しまいには、本当に自分が見たのかどうかさえも定かではなくなる。
そんな、東京のどこかであってどこでもない場所で起きる小さな物語がぽつぽつと続く。派手じゃない、むしろ地味でぬるい東京がここにある。
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