蜜白玉のひとりごと
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相方と回転寿司へ。相方は回転寿司のことを「まわる寿司」と呼ぶ。夜の電話で、夕飯なに食べたの?と訊くと、今日はSさんとまわる寿司に行った、とかそういうふうに使う。
それはさておき。
吉祥寺ならココ、という相方お薦めの店へ行く。どれでも一皿120円(イクラとかウニとか値がはるものは一皿に一かんしかのっていない)。夜7時前に着くと、お店の前にはくねくねと行列が。普段はめったに並んだりしないものの、今日はこのお店に来るのが目的だったからおとなしく並ぶ。
足元からしんしんと冷える中、並んでいる人たちを観察したり、何を食べようか考えながら待つ。相方に、おすすめはある?と訊くと、まわっているものを食べればいい、とそっけない返事。だーかーらー、せっかくこのお店に来たんだから、これは食べなきゃっていうのはないの?とダメ押しでもう一度訊く。たまごはおいしいよ、と相方。なるほど。とりあえず玉子と大好きな穴子は食べよう。
30分ほど待って席に着く。ごっつい湯飲みにお茶を入れて、小皿にお醤油を入れて、割り箸を割って準備完了。目の前を通り過ぎる寿司を眺める。・・・なかなか手が出ない。これだ!という皿がまわってこないのだ。私が躊躇している間に、隣に座っている相方はもう食べはじめている。・・・私は一体何が食べたいんだっけ?
と、目の前をつやつやの甘エビが横切る。おお、これだ!と飛びつく。
こういう瞬間に、回転寿司は「出会い」を感じさせる。私は甘エビを今か今かと待っていたわけではない。その時たまたま甘エビが私の目の前を通過したのだ。偶然の出会いがもたらす高揚感。なんという幸運なものたちよ。
甘エビに続いて、アジ、トビッコ(おじさんに注文)、マグロづけ、カツオ、イクラ大盛り(おじさんに注文)、イワシ、しじみ汁(おにいさんに注文)、真鯛の8皿と1杯でお腹いっぱい。
お寿司を食べに行ってなんだけど、いちばんおいしかったのはしじみ汁だ。結局、穴子と玉子は今回は食べなかった。出会いとはそういうものである。出会いの不思議さは回転寿司にも見いだせるのだ。
しじみ汁でぽかぽかに温まった体で、夜の吉祥寺をぶらぶら歩く。天津甘栗と保坂和志の『カンバセイション・ピース』を買って家路につく。
後日談:これを読んだ相方が、蜜白玉これ間違ってるよ、イクラとかウニでも普通のはふたつだよ、と言うではないか。どうやら、イクラとかウニとか値のはるものでも普通はちゃんと一皿に二かんのっているのだそう。「イクラ大盛り」とか「ウニ大盛り」とかにすると一皿に一かんになる。以上、訂正というか補足説明でした。チャンチャン。
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