蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2003年11月20日(木) 大事におし

ふってわいた休日。午前中は美容院へ。のばしかけの髪が肩ではねるのでパーマをかける。ついでに前髪も短く切る。(その後、妹にはこの前髪が不評で、お姉ちゃんは前髪は似合わない、前の髪型の方が良かった、と歯に衣着せぬ物言い。妹はいつも手厳しい。いいじゃん、そのうちまたのびるんだから。仕方なく前髪は横に流してピンで留めてごまかす。)

小雨の降る中を吉祥寺へ移動。向田邦子原作の映画『阿修羅のごとく』を観る。映画館で映画を観るのは何か月ぶりだろう。4姉妹が父親の浮気疑惑をきっかけに、それぞれの愛の形を見つめる話。

長女・綱子(45歳)大竹しのぶ 
次女・巻子(41歳)黒木瞳
三女・滝子(29歳)深津絵里
四女・咲子(25歳)深田恭子

深津絵里の黒目がちな瞳を楽しみに見に行ったようなものなのに、意外にも私の関心は黒木瞳の演技に向かう。上手。とても自然で、それでいて印象深い。

「阿修羅」とは、言い争いの象徴とされるインドの神のこと。表面的には仁義礼智信をかかげながら、実は猜疑心が強く、互いに事実を曲げ、他人の悪口を言い合う…。(映画『阿修羅のごとく』公式ホームページより)

巻子の夫・鷹男が「女は、阿修羅だよなあ・・・」とつぶやく場面がある。女は表向き涼しい顔をしていても、心の内では何を考えているかわからない。亭主の浮気に気づいていても気づかぬ振りをして、満ちたりた様子で毎日を過ごしている。なんとも恐ろしい生き物だ。問いつめたり、わめき散らしたりする方がまだわかり易い。

そんな、阿修羅のような巻子が、母・ふじに向かって「結婚(生活)って難しい。」と、愚痴とも諦めともつかないことをぽつりと言う。ふじは微笑んで「おまえ、いくつになる?」と聞く。巻子は「しじゅういち」と答える。それに対して母の言った言葉がとても含みのあるいい言葉だった。もしもこの先、私が巻子と同じ立場になったなら(もちろん、ならないに越したことはないけれど)、この時ふじが言った言葉を思い出せるように、ちゃんと覚えておこう。

向田邦子作品はわりと好きで、今までに『あ・うん』『思い出トランプ』『せい子・宙太郎』『寺内貫太郎一家』『夜中の薔薇』『父の詫び状』『眠る盃』などを読んだ。『阿修羅のごとく』も気に入ったので、これを機に他の作品も読んでみようかと思う。


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