Deckard's Movie Diary
indexpastwill


2008年10月14日(火)  容疑者Xの献身  その土曜日、7時58分  ゲット スマート

『容疑者Xの献身』
「実に面白い( ̄― ̄)ニヤ」とか「さっぱり、分からない ┐(´―`)┌ ヤレヤレ」とかのセリフは耳にしたことはあります。主人公が物理学者ってコトも知っていますが、TVドラマは1回も観たことはありませんし、原作を読んだこともありません。しかし、視聴率の良かったドラマをしょーもない映画にすることに定評のあるフジテレビの仕業と知ってしまっては、どう考えても期待出来るような作品ではありません。なんてたって、『踊る大捜査線』も『海猿』も『HERO』も全てデタラメですからね。ところがどうして!世の中にはこんなこともあるんですねぇ!湯川教授ではないですが「これが、実に面白い!」。個人的には『39/刑法第三十九条』以来の堂々たる傑作ミステリー(倒叙ミステリー)映画だと思いました。数学と物理の真理に迫る仕方の違いがストーリーに厚みを加えていて、興味をそそられます。脚本は“献身”という言葉に相応しく重厚で、演出は的確で無駄がありません(殴られている娘の顔が綺麗なのはちょっと?ですが・・・)。石神役の堤真一(そう言えば『39』も彼だったなぁ・・・)も、ヒロイン役の松雪泰子も見応え十分です。石神のバックボーンをもう少し丁寧に描き、湯川との対決をもっとネットリと描いてくれれば相当な傑作になったような気もします。「作るのと解くのは、どちらが難しい?」なんて、なかなか良いセリフですよ!論理的思考から逸脱してしまった人間の行動が引き起こした事件・・・底辺×高さ÷愛・・・けっこう泣けましたわ。ラストシーンで湯川(福山雅治)と内海(柴崎コウ)のやりとりが深いモノを感じさせるのも、全ては出来が良いからです。やはり『愛』ってのは“罪”なものなんですねぇ・・・。監督は『県庁の星』の西谷弘、脚本は『LIMIT OF LOVE 海猿』(ホントかよ!)の福田靖・・・やっぱり、原作がいいのかなぁ・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ…

原作では柴崎コウの役は男性らしいですが、今回の話では女性で大正解でしょ!しかし、フジテレビもこんなの作れるのなら毎回もっと頑張ってよ!ヒットが約束されている作品(年に2回しか映画を観ない人々が観るような作品)だからこそ、良い作品にして欲しいものです。それにしても長塚圭史は時折びっくりするくらい父親に似ていますね。



『その土曜日、7時58分』
この映画はまるで“ギリシャ悲劇”か“シェイクスピア劇”のようです。登場人物の皆さんはやたらとテンパっちゃっていて、困っているようですけど、観ているこちらとしてはついていくのがやっとです。まるで、自分の都合で授業を進める先生の講義を受けているような気分です。要するに置いてけぼりにされている感じです。役者陣はどいつもこいつも(この表現はどうかなぁ・・・)上手く、申し分ないですが、あらかじめ決められたストーリーを見せられているようで、いまいち映画には入り込めませんでした。まぁ、それでも悪い映画じゃないです。監督のシドニー・ルメットも相変わらず健在ですね。



『ゲット スマート』
う〜ん、ちょっとスマートじゃなかったなぁ・・・スマート過ぎて“スマート”じゃなかった!みたいな・・・ドン・アダムスの“スマート”ってもっと飄々としていたと思うんですけどねぇ・・・だいたい“カオス”じゃなくて“ケイオス”だし・・・個人的にはあんまり笑えなかったです。


デッカード |HomePage

My追加