Deckard's Movie Diary
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2008年08月01日(金)  赤い風船  白い馬  天安門、恋人たち

『赤い風船』
劇場で観たのは初めてでした。やはり、暖かい気持ちになりました。空撮の最中に事故で亡くなった監督のアルベール・ラモリスは本当に浮遊することに魅せられていたんでしょうね。そうでなければ、こんなにも夢のある作品なんて作れませんよ!後世に残る映画芸術の1本!必見!それにしても・・・どうやって撮ったんだろうか?



『白い馬』




『天安門、恋人たち』
中国では公開禁止、ロウ・イエ監督には5年間の表現活動の禁止という厳しい処分がされた問題作です。う〜ん、力作なのは間違いないですが、力が入り過ぎましたね。まぁ、仕方ないのかなぁ・・・。

映画の中で天安門事件は単なるバックボーンでしかありませんが、観ている最中、懐かしい気持ちで一杯でした。小生は高校1年の時に70年でしたから、多少なりとも70年安保を経験しているのですが、この作品は70年代安保を背景にした青春映画のようでした。天安門事件とは自由と民主化を求めた学生たちが天安門広場で起した大規模デモですから、日本の学生運動とは背景が違いますが、当時の“このままでいいのか?”という落ち着かない気分を思い起こさせてくれました。70年安保の時も世界で若い血が弾けたように80年代後半からも以下のように

1988年天安門事件
1989年ベルリンの壁崩壊
1990年東西ドイツ統一
1991年ソビエト連邦崩壊

民主化の嵐が吹き荒れた時代でした。その中で中国だけが踏み止まったワケです。天安門事件から20年が経とうとしています。あの事件は中国では単なる暴徒の起した出来事になっているようです。つまり、当時10歳だとして現在30歳前後の中国人はほとんど記憶にない事件なんですね。心配された北京オリンピックも成功のうちに幕を降ろしましたが、歪な発展をし続ける中国が今後どのように成長していくのか全く分かりませんが、興味深いのは間違いないです。

この映画は当時の中国を背景とした青春映画として貴重な作品と言えます。学生時代というのは地位とか名誉とか収入とか相手の立場とかに関係なく純粋に人を好きになれるし、ワケの分からない熱いモノが胸に流れ込んで来たりもします。そんな甘酸っぱい時代を過ごしたとしても、多くの人間は10年も経てばそんな気持ちも何処かへ行ってしまうのでしょう。そして、オイラのような凡人は過去を振り返りながら酒浸りの日々を過ごすのでした。あらら。


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