Deckard's Movie Diary
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『アフタースクール』 『運命じゃない人』でカンヌ映画祭において4冠を受賞した内田けんじ監督の新作です。初めて予告編に接した時から楽しみにしていました。何故なら『運命じゃない人』の脚本がとても良く出来ていましたし、今回の予告編からもそのニュアンスが伝わって来たからです。結果は、102分間十分に堪能させていただきました!必ずリピートしたくなる映画でしたね。“甘くみてると騙される”の謳い文句通り、気持ち良く騙されてしまいました。だから、そのカラクリを承知の上でもう一度最初から観たくなってしまうんです。というワケで、ロハで観られるオイラはリピートしたのですが、それでも“ん?”って、思う部分もあり、そういう意味では分かり辛いし、その設定はどうなの?とツッコミを入れたくなる部分もありますが、ただ、それが決して不快ではなく、どちらかというと「そんな細かいことはどーでもいいかぁ!」と思えてしまいます。どうしてなんでしょうか?全ては“キャラクター”なんだと思います。総ての登場人物にキチンとキャラ付けがされていて、そこに存在していることにほとんど違和感がありません。ほとんど無いのですが、少しだけあります。その少しのズレがちょっとだけ心に引っかかったりします。例えば “ポルシェ”だったり・・・。そこに観客は異質なものを感じ、何処かあやふやな心模様になり、ストーリーから目が離せなくなるんじゃないでしょうか?でも、世の中には6畳一間に住みながらフェラーリを乗り回している輩も居るワケですから、珍しいけど全く有り得ないコトでもないんですよね。ただ、ちょっとストーリーを追いかけ過ぎて、人物描写が甘くなったのは否めません。これは前作にも言えるんですけどね。もう少し整理して、主要登場人物の背景を盛り込めればさらに良くなるような気がするんですが、それは大きなお世話ですね。とにかく、観終わった直後から内田けんじの次回作がまたまた楽しみになってしまいましたとさ!
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