Deckard's Movie Diary
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2002年05月14日(火)  突入せよ!「あさま山荘」事件 ザ・ウォール

 1972年2月に起きた連合赤軍による「あさま山荘事件」。当時高校2年生だった小生にとっては、兄貴の世代が起こした事件であるにも関わらず、他人事のような印象、自分とは全くかけ離れた世界の出来事であり、あまりに遠くへ行ってしまった学生運動の終焉を告げる出来事でもありました。佐々淳行氏の「連合赤軍 あさま山荘事件」を原作にした『突入せよ!「あさま山荘」事件』は監督・原田 眞人、主演・役所耕司の『金融腐食列島・呪縛』コンビの再タッグです。このスタッフが発表された時点である程度の完成度は約束されていたのですが、いやぁ、面白かったわ。まさに娯楽大作。骨の太さでは『KT』には負けますが、骨の質ではこちらの勝利ですねぇ。132分タップリ楽しめます。特に何かが心に残る映画ではありませんが、セクショナリズムと面子の中で慌てず騒がず(時に焦るが(笑))事に対処していく様はまさに真面目な日本人の典型的ヒーロー図で、血の通った人物像としてリアルに感じられました。突入シーンの混乱ぶりも、当時TVを見ていた時にドン、パチという心細い音しか聞こえず「おいおい!どうなってるんだぁ?」とブラウン管に向かって発していた言葉に対する映像のようで、何だか妙な気分でした。個人的には「そんな奴らいるのかよ!」とツッコミを入れてた『金融腐食列島・呪縛』よりも好きです。それにしても、こんな風に描かれて長野県警はOKなんですかねぇ?また、佐々夫人役の天海祐希はミスキャストかなぁ・・・ちょっと派手過ぎる感じです。もっと内面が強いタイプのが良かったかも。最後に一言、この映画に対して「山荘に立て籠もった赤軍派の事が全く描かれてない」という意見がありますが。全く必要ありません。土台それは無理な話(個人レベルの話ならいざ知らず、今回はマスですからね。)です。方や「現実社会で仕事に命をかけてる集団」であり、方や「理想社会を追求している思想集団」なワケですから、同じ土俵には乗らないでしょ。サッカー試合の解説で、野球のセオリーを引き合いに出されてもねぇ・・・。
 
 観終わった後、徐にトイレに行ったのですが、そこでスーツ姿の60代男性二人の会話を小耳に挟んだのですが・・・

男性A「良かったなぁ・・・」
男性B「ああ、よく出来てたなぁ・・・」
男性A「あの通りだったなぁ・・・」
男性B「ああ、あの通りだった・・・」

連れションの終った二人は酒を止められているAさんの要望で2Fのマクドナルドへ消えていきました。貴方達は一体誰ですか?ひょっとして・・・。


 この日はもう1本。レイトショーで、ロジャー・ウォーターズの来日を記念して再公開されているピンク・フロイドの映画『ザ・ウォール』です。1982年作品。監督はアラン・パーカー。当時に観ていますが、あんまり憶えてなかったし、どういうワケか「観たい〜」とか云ってる物好きな友人がいたので、付き合ってきました。始まって10分くらいで「ああ、そうそう!こういう映画だった。この後、あんなシーンやこんなシーンが・・・・」なんて考えていたら、スーっと心地よい睡眠に誘われてしまい、40分ほど寝てから再見(⌒▽⌒;)アハハ!まぁね、別にね、今更ね。要するにビデオ・クリップですよ。ただ、この映画って脚本・ロジャー・ウォーターズなのに、完成した映画に対してケチョンケチョンに貶したんじゃなかったけ?違ったっけ?でも、ピン・フロはやっぱり音楽だけでいいや(笑)


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