Deckard's Movie Diary
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2002年05月13日(月)  翼をください 鬼が来た!

 カナダ・トロントで起きた衝撃の事件、完全映画化。3人の少女たちが辿り着いた愛の結末・・・の触れ込みで、大いに期待を持たせた『翼をください』。うーん、あまりにベタな展開で言葉も無い・・・って感じでしょうか。安での少女漫画のストーリーを延々と見せられてもねぇ。3人の少女の誰にも思い入れ出来ませんでした。だいたい原作にある「17歳の少女がタクシー運転手をバットで殺害し、彼の生殖器を切除した」という実際の事件は何処に行っちゃったの?ところでお姉さま方、ミーシャ・バートンの歩き方はアレでいいんでしょうか(笑)

 2000年カンヌ・グランプリの中国映画『鬼が来た』。製作、監督、脚本のチアン・ウエンは主演でもあるので一人四役です。これはスゴイ映画です。参りました。たくさんの人に観て欲しい映画ですが、誰にでもお薦め出来る映画ではありません。通訳を通した現実レベルのディス・コミュニケーションから、話せばワカル!では済まない戦争の真実までを、それぞれの立場、平民、軍人、中国人、日本人、日本軍、中国軍から情け容赦なく描いた映画と云えるでしょう。全編を通して、思い込み、思い違い、誤解、曲解、目論見等が交差する人間模様が生む結果は・・・?気になったのは、映画の持っている雰囲気というか、ニュアンスというか、そういう空気を強引に変えてしまう演出はどうなんでしょうか?何だか疑問が残ります。ちょっと驚いたのは日本軍の描き方で、自由な海軍、規律の陸軍までもキッチリ捉えていることでした。


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