Deckard's Movie Diary
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2002年05月02日(木)  ハッシュ バーバー アザーズ ピーピー兄弟

 本日はお日柄も良く、GW中唯一堂々と映画三昧出来る日♪

 まずは渋谷でキネマ旬報第2位、橋口亮輔監督作『ハッシュ』。前2作と同じように今作もまたゲイさんが主人公ですが、だんだん女性の関与度数が大きくなってきています。次作からは一般の人を描きたいと言っているように、今回はまさに今までの集大成とも言える作品で、その名に恥じない傑作として仕上がりました。特に10年前橋口監督の長編第1作『二十歳の微熱』で女優デビューした片岡礼子が素晴らしく、これからの活躍を期待させますし、高橋和也、田辺誠一とのアンサンブルも見事の一言。内容は『二十歳の微熱』『渚のシンドバッド』と成長してきたゲイのカップルと女性の3人組の熟成した姿がそこにあります。惜しむらくは、少し世界が広がりすぎたきらいがあるところでしょうか・・・。この映画を観てしまうと監督賞は橋口に上げるべきだったんじゃないかと・・・。どう考えても『GO』の行定より上でしょう。

 お次は日比谷シャンテでコーエン兄弟の新作『バーバー』。うーん、これはどうなんだろう・・・。狙っている事はわかります。風采のあがらないただの床屋のちょっとした出来心が、次から次へと悲劇を招いていく様を、例によってシニカルな目で描いています。映像も、脚本も、ビリー・ボブも素晴らしい。だけんどもしかし!鼻につくというか、それさえも計算に入れているような、何かヤな感じ。別に悪くはないけどさ!お暇ならどうぞ。

 さぁ3本目だ!銀座で『アザーズ』。アレハンドロ・アメナーバル監督の『オープン・ユア・アイズ』に惚れ込んだトム・クルーズが製作、ニコール・キッドマンが主演したゴシック・ホラー。観始めてからズーっと「なんだかぁ・・」と頭の中でボヤいてたのですが、物語が進むにつれ、「何かオカシイなぁ・・・」と。で、「な〜るほど!やっぱりこの監督らしい仕上がりだわさ!」というコトでした。けっこう好き。

 で、ランランと階段を下りていたら肩を叩かれました。え?マジっすか!1週間前『トンネル』でバッタリ会った(変な言い方)ヤマトさんが居るではあ〜りませんか♪また会っちゃったよ。で。お互い挨拶もそこそこにヤマトさんは『陽だまりのグラウンド』へ。アッシは一旦会社に戻って書類の整理しながら日本×ホンジュラス戦を観戦。俊輔のコーナーキックからの直接ゴールを観て、ヨッシャー!前半終わり間近に3点目を獲られて、ダッサー!トルシエ自慢のフラット3がズタボロ状態。前半に3点は獲られすぎだろ!勝っても喜べないぞぉ!後ろ髪を引かれつつ再び渋谷へ。

 本日のラストを飾るのは『ピーピー兄弟』。本作品の脚本は98年のサンダンス/NHK国際映像作家賞受賞。まぁ、そうは言っても例の「GO」騒ぎの「GO!」も同じだからなぁ・・・。脚本・監督はサンダンス・インスティテュート出身の藤田芳康。売れない漫才コンビがストリップ劇場で過激な下ネタを連発したところ観客に大ウケ。それを見ていたTVディレクターに誘われTV出演。放送禁止用語を連発するのだが、その禁止用語全てにピー!が。ところがコレがまた視聴者に大ウケ。彼らは一躍時代の寵児に。面白うてやがて悲しき・・・。けっこうイイんやけどねぇ。ちょっとウェットになりすぎてる感じなんやな。キレが悪いっつーか、もっとスカっと笑い飛ばして欲しいですわ。主役の二人(剣太郎セガール・ぜんじろう)がヘタ過ぎるのも、かなり足を引っぱってるしぃ。それに比べて若手女優のみれいゆが良かったでんなぁ。映像、音楽、編集等、スタッフは全て広告制作の関係者なのでレベルは高いですわ。

 久しぶりの4本ですけど、意外と疲れなかったわ。皆それなりに面白かった!っつーことやろか!


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