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180 迷子の天才

小さい頃、俺はしょっちゅう迷子になっていたらしい。どうも小さい頃の思い出というのは断片的で、妹と比べると極端に覚えていない。母親に聞く限りではあるけど、もはや天才!とオーバーにいいたくなってしまうくらい迷子坊やだったようだ。
一つだけ自分の記憶に残っているのが、動物園での迷子。母親と妹、祖母と俺の4人でいったんだけど、俺一人だけ女性陣と見たいものが違ったのか、見るペースがあわなかったのか、そこらへんの記憶は定かじゃないんだけど、とにかくまるで協調性のない俺は単独行動にでた。待ち合わせは「ゾウの前」。
単独行動をしたものの、その当時の俺は極端にせっかちな性格で、すぐに見終わってしまった。片や向こうはのんびり3人組。時間があわずに一人探し始めたところ、迷子開始!
散々探し回った挙句、結局一人で出口についてしまった。何を血迷ったのか、俺はそのまま出口を出てしまった。その動物園の出口は回転式になっていて、出られはするけど、入れない。さぁ困った。
出口を出ても3人はいるはずもなく、かといって出口からは入れない。入り口がどこにあるかもわからず、高さ5メートルはあろうかと思われるフェンスをよじのぼった。一番てっぺんまで登ったところで係員にとめられ、あえなく園内放送。。。
お恥ずかしい話、これは小学校3〜4年くらいだったと思う。これ以降には迷子になったことはないと思う。最後の迷子だ。

母親の話では、とにかく外出すると至るところで迷子になるらしい。
ほんのちょっと、一瞬でも俺から目を離すと、すぐにどこかへふらふらと行ってしまい、目の届かないところへ消える、と。しばらくしてちょっと異常だろ!?と思えるほどバカみたいに大声で泣き叫ぶ子供がいると思ったら、それは必ず俺だとか。怖いもの知らずがごとくどこへでも好奇心のみで行くくせに、迷子になったことを知ると途端に怖くなるんだろうな。迷子になったときの記憶はあまりないんだけど、そのときに覚えた恐怖みたいなものは心に残っている。

一度、小さなスーパーマーケットで迷子になったことがあるらしく、館内放送で母親が呼ばれたとか。そこは25メートルプールより少し大きいくらいの、ほんとごく普通の、むしろ小さめのスーパー。さすがの母親にもそれにはびっくりしたとのこと。あたりまえだよ。恐るべし・・・。
2004年07月15日(木)

VOICE / マッキー

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