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2004年05月10日(月) |
ファインディング・ニモ |
ただいまピクサーの秀作DVDを1,890円(税込み)で 大奉仕中放出!とのことですが、 その局面でわさわざ6月18日発売のこの作品を 選んでしまったことに 我ながら、少々根性悪さを感じないでもないのですが……
ファインディング・ニモ Finding Nemo 2003年 アメリカ アンドリュー・スタントン監督
アカデミー賞に長編アニメ部門ができてからというもの、 毎回、ノミネートにだけは挙がるものの、 ことごとく賞を取り逃すという屈辱を喫した いわゆる“ディズニー作品”ですが、 三度目の正直というのか、満を持してというのか、 美しくも厳かな大海を舞台に、 親子愛や友情を高らかに謳った本作が見事受賞と相成ったのは、 まだ記憶に新しいところでしょう。 もっとも、日本関係では、 「ラスト・サムライ」の渡辺謙さん(助演男優)と、 山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」(外国語)のノミネートが話題で、 昨年の「千と千尋の神隠し」受賞とはうってかわって、 長編アニメ部門への注目は集まらなかったようですが…
カクレクマノミのマーリンは、 サメに妻と子供(卵)たちを襲われるという悲劇に遭って以来、 かなり臆病になっていました。 そのとき唯一生き残った子に“ニモ”と名づけ、 惜しみない愛情を注ぐのはいいけれど、 彼の片方の胸びれが少し小さ目で、うまく泳げないこともあり、 学校に行かせるのをためらうほど過保護になっていました。
父親を愛しながらも、 過干渉をうっとうしく思ったニモは、 父親を振り払って勝手な行動をとったばかりに、 ダイバーに捕まってしまいます。
さてさて。 迷子のカクレクマノミを保護した気になっている いい気なダイバー(ちなみに歯科医)は、 魚の扱いの粗雑さには定評のある姪に ニモをプレゼントしようと考えており、 他の海洋生物と一緒に、自分の歯科医院の水槽で しばらく彼を飼うことにします。
しかし、黙って乱暴娘の餌食になるのニモではありません。 水槽の中で、同じように捕獲された海洋生物たちとの協力のもと、 脱出計画が敢行されようとしていました。
そのころマーリンは、 いつもの臆病風はどこへやらで、 危険がいっぱいの海を、 しゃかりきになって息子探しに泳ぎまくります。 本当にあの小魚が、あんなペースで泳いでいたら、 とっくに事切れそうな勢いでした。 途中、ひどい健忘症のナンヨウハギ・ドリーと知り合いますが、 彼女がなぜか人間の用いる字が読めるということから、 ニモ探しの大きな手がかりも得ることになりました。
魅力的なキャラクターたちと、呑まれそうな青い海と、 見苦しいほどの親子愛の美しさときて、 なんとなく、傲慢な人間の「美しくなさ」が垣間見えるのは、 ちょっと悲しいところなんですが、 素朴に笑ったり泣いたりできたら、 きっと、ほかのどの映画よりも気持ちよいことでしょう。
オリジナルの吹替でマーリンを演じたのは、 知性派コメディアンのアルバート・ブルックス、 ドリー役が「エドtv」などに出演している エレン・デジェネレスでした。 日本語版では、それぞれを 木梨憲武、室井滋が担当して話題になりましたが、 人気お笑いコンビ、ドランクドラゴンの2人も ニモたちに絡む柄の悪いカニの役で、ちょっとだけ出演していました。
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