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2003年09月09日(火) アバウト・ア・ボーイ

1960年9月9日、ヒュー・グラントが生まれました。

アバウト・ア・ボーイ About a Boy
2002年アメリカ/イギリス/フランス ビデオ&DVD あり
監督 ポール・ウェイツ&クリス・ウェイツ
脚本  ポール・ウェイツ&クリス・ウェイツ/ピーター・ヘッジズ


一発屋の作曲家だった父親のおかげで
仕事をしなくても優雅に暮らせる
ウィル・フリーマン(H.グラント)は、
38歳になっても、フラフラと腰が落ち着きません。
顔だけはいいせいか、デートの相手にはそう不自由しませんが、
特定の女性に本気になることもなく、
「何かあると責任を感じて勝手に身を引いてくれる
シングルマザーは、後腐れなくつき合えてイイ!」

などという不埒なことさえ考え、
2歳の息子を1人で育てるシングルファザーのふりをして、
シングルペアレントの集会でデート相手を探すほどでした。

そんな彼は、ひょんなことから
フィオナ(トニ・コレット)という女性の12歳の息子、
マーカス(ニコラス・ホールト)と知り合います。
マーカスは、学校ではいじめられっこ、
家では情緒不安定な母親を心配するという
何とも気の毒な少年です。
ウィルは決して子供は好きではないものの、
のっぴきならない理由でマーカスの面倒を見るうちに、
何か、通じ合うものを感じるようになります。
マーカスもマーカスで、決して「いい人」とは思えないけれど、
なぜか自分に靴やCDを買ってくれたり、
カッコワルイ話も聞かせてくれるようなウィルに、
なぜだか懐くのでした。
小ネタですが……マーカスが、
「僕はH.J.オスメントみたいな子役スターじゃない」
と言うくだりがありましたが、
彼を一躍スターに押し上げた『シックス・センス』で、
孤独な少年コールを女手一つで育てる女性を演じたのも、
トニ・コレットでした。
狙ったのでしょうが、何となく笑えます。


その後ウィルは、あるパーティーで知り合った
レイチェル(レイチェル・ワイズ)という女性に
今までになく本気になり、
彼女にマーカスと同い年の息子がいると知ると、
マーカスを息子を偽って、彼をだしにしてまで
レイチェルに取り入ろうとするのですが……。

端的に言うと、12歳と38歳、2人のBoyの成長物語です。
ウィルは、テレビのクイズ番組を見ながら誤答しても気づかず、※
(厳密には、誤答というよりは誤解って感じでしたが)
ネットサーフィンで日々を費やしているような「イタイ奴」で、
女性に対して誠実であろうという気もない。
それこそ容姿でもよくなければ、全く絵にならない男性像です。
12歳の苦労人・マーカスの方が、よほど大人に見えました。
接点がなさそうに見える2人が出会ったことで、
どんな物語が繰り広げられるか?
100分間見守ってみてくださいませ。

ウィルという男自身はごくごく暇そうなのに、
映画としてのエピソードが盛り沢山なので、
ちょっと散漫な感じも否めませんが、
逆にいえば、バラエティーに富んだ楽しさがあります。
ウィルとレイチェルの恋愛話は
そこそこ丁寧に描かれてはいますが、
マーカスとウィルの結びつきに比べると、
何だか添え物に思えるような扱いでもあります。

※英国の本家本元「ミリオネア」で
「No man is an island…」と言ったのは誰?という問題。
選択肢は、ジョン・ダン/ジョン・F・ケネディ/ジョン・レノン/ジョン・ボ
ンジョヴィ

「ジョンつながり」の4人でした。
私、最近まで知らなかったのですが、
ボン・ジョヴィの曲で、このフレーズが出てくるものがあるのですね!
だから間違えたというオチのようですが。

念のために……正解は「ジョン・ダン(17世紀の英国神学者)」です。
No man is an Island,entire of it self;
every man is a piece of the Continent, a part of main;
if a clod be wished away by the sea, Europe is the less;
as well as if a promontory were,
as well as if a manor of thy friends or of thine own were;
any man's death diminishes me,
because I am involved in Mankind;
And therefore never send to know for whom the bell tolls;
it tolls for thee.

ちなみに、for whom the bell tolls(誰がために鐘は鳴る)というフレーズ
は、
後にヘミングウェイが小説のタイトルとして引用しました。


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