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本日8月8日は、「ハハ」という笑い声の語呂合わせで、 「笑いの日」だそうです。 そこで、コメディーという割にはさっぱり笑えない(かもしれない)、 それでいて、妙に心のどこかにひっかかる好編をどうぞ。
天才マックスの世界 Rushmore
1998年アメリカ ビデオ&DVD あり 製作総指揮 ウェス・アンダーソン / オーウェン・ウィルソン 製作 バリー・メンデル / ポール・シッフ 監督 ウェス・アンダーソン 脚本 ウェス・アンダーソン / オーウェン・ウィルソン 音楽 マーク・マザーズバー / ピート・タウンゼンド (ザ・フー)
昨年のオスカーレースで話題になった 『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のチームが 同作の3年前に製作した学園コメディーです。
原題を“Rushmore”だと聞くと、 あの『北北西に進路をとれ』でも有名な 4人の大統領の頭が彫られたラッシュモア山を思い出しますが、 それとは全く関係なく、 映画の舞台の1つとなる名門私立校の名が “ラッシュモア”といいます。
マックス・フィッシャー(ジェイソン・シュワルツマン)は、 黒縁メガネのぱっとしない15歳の少年です。 (余談ですが、吉田照美さんそっくりです) 理髪師の父親(すごくいい人!)のことを 「外科医」だと周囲の人間には話していますが、 それが、見栄か何かでそう言っているのか、 何か含みがあって敢えてそう言っているのか、 全くつかめない得体の知れなさがあります。 そもそも、決して裕福とはいえない育ちながら 私立校に通っているのも、 まだ幼少の頃に書いた芝居の脚本がきっかけで、 奨学金をもらえるようになったためでした。
じゃ、さだめし優秀だろうというと……これがそうでもなく、 “いっちょかみ”とでもいうのか、文科系から体育会系まで、 ありとあらゆる課外活動に顔を出し、 そのために、すっかり勉強の成績がお粗末になっています。 学校で一番仲がいいのは、 大分お子ちゃまのダーク(メイソン・ギャンブル)ですが、 これも、ダークのママが若くてきれいなので、 どうせ母親目当てだろうと周囲からは目されていますが、 実のところどうなのか、これもよくわかりません。
ある日、図書館で海洋生物の本を読んでいたマックスは、 本の中にクストーの書き込みがされているのを見つけ、 その「犯人」を突き止めますが、 それは、若く美しい新任教師で未亡人の ローズマリー(オリビア・ウィリアムズ)でした。 彼女の亡き夫はラッシュモアのOBで、 その夫からもらった本を図書館に寄贈したのでした。 マックスはローズマリーにすっかり夢中になり、 とんちんかんなあの手、この手で彼女の歓心を買おうとします。
そんな中マックスは、問題行動が原因で退学になり、 公立高校に転学しますが、 その間、尊敬するラッシュモアOBで友人でもあった ブルーム(ビル・マーレィ)がローズマリーに恋をし、 マックスの思いを知りながら、彼女とデキてしまいます。 それを知ったマックスは、 ブルームの妻に告げ口して離婚沙汰に追い込み、 嫌がらせを続けますが、 ブルームもブルームで、 マックスに大人げない嫌がらせを返します。
ジェイソン・シュワルツマンという役者を、 私はこの映画で初めて見ました……が、 1980年生まれといいますから、この映画の当時でせいぜい17か18。 でも、「エッ、マジ?」と言いたくなるほど老けています。 顔がどうのというより、雰囲気が。 やることや言うことは、時々やたらと子供っぽいのですが、 老成した、とでも言いたい雰囲気があって、 あのつかみどころのなさには、何か惹かれるものを感じます。 もう少したったとき、どんな役者になるのか楽しみですね。 とりあえず若いうちは、「ダスティン・ホフマンの若い頃」役を 一手に引き受けるだけでも、結構イケそうな気がします。
ところで、そのシュワルツマンですが、 女優タリア・シャイアの息子さんだそうです。 彼女はフランシス・コッポラの妹ですから、 当然、コッポラから見たら甥っこということです。 そして、同じく「コッポラの甥」として世に出てきたけれど、 今や押しも押されもせぬ大スターになったニコラス・ケイジとは いとこの関係にあることになります。 ちなみに、弟ロバート・シュワツルマンも俳優で、 近いところでは、『プリティ・プリンセス』に出演しています。 主演アン・ハサウェイの親友の兄という役どころでした。 ちなみに2、彼は『ヴァージン・スーサイド』にも出演していますが、 この監督をしたのは、コッポラの愛娘ソフィア…… くどい芸能一家ですなぁ。
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