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2003年07月01日(火) |
おかしなおかしな大追跡 |
6月29日、4度のオスカーを受賞した キャサリン・ヘップバーン女史が 96歳で亡くなりました。 セックスアピールのある美人女優というよりも、 知的で強い女性のイメージや、 スペンサー・トレイシーとの関係など、 「1人女性」としてのファンも多かったのではないでしょうか。
残念ながら、私はまだ見ていないのですが、 彼女は1938年『赤ちゃん教育』というコメディーに 出演しています。これは後年、 映画評論家ピーター・ボクダノビッチにより絶賛され、 その後、映画監督になったボグダノビッチは、 少しアレンジしたリメーク作品を撮りました。
おかしなおかしな大追跡 What's Up, Doc? 1972年アメリカ ピーター・ボグダノビッチ監督 大きな鼻と、独特な存在感が特徴の バーブラ・ストライサンドが 自由奔放で魅力的な女性を好演しています……が、 この映画の真の「主役」は、全く同じ形の4つの鞄です。 サンフランシスコのあるホテルに、その鞄が大集合したことで、 映画やドラマをあれこれ見慣れている人ならば、 次の展開がわかりそうなものですが、 (そう、言うまでもありませんが、入れ代わっちゃうのです。 ついでに、そこに犯罪まで絡んでしまうのは、まさにお約束) 坂の多いサンフランシスコの街を生かした ほどよい品さえ感じるドタバタ劇は、 見ていて飽きさせません。
キャストももちろん魅力的です。 ストライサンドと同じ鞄を持っていたことから 彼女演じるジュディに振り回される、 気弱でお固い男ハワードを 色男ライアン・オニールが頼りなく演じ、 彼の強烈なフィアンセ、ユーニスを 故マデリーン・カーンが怪演しました。
子供の頃、なぜか深夜にテレビで見て、 あんな女の人(ジュディ)になりたい、と思った覚えがあります。 物事に動じず、人を翻弄しても嫌らしさがなく、 しかも計算が早い! 帽子の中に隠された長い髪も、 おしゃれな親戚のおねーさんたちのそれを彷彿とさせ、 憧れと親しみを呼ぶものです。 が、大人になってから見てみると、 ユーニスの、“コミカルな凄まじさ”も捨て難いと思いました。 ライアン・オニールは、 この2年前に主演したある映画の中の有名な台詞を 「くだらん」と一刀両断してみせるサービスぶりです。 ちなみにその台詞はこちら。↓ (気になる方は、マウスでこすってみてください) Judy: Love means never having to say you're sorry. Howard: That's the dumbest thing I ever heard.
オリジナルは、言うまでもなく『ある愛の詩 Love Story』の ライアン・オニール演じるオリバーの台詞です。
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