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2003年07月08日(火) いちご白書

1948年7月8日、女優のキム・ダービーが生まれました。

いちご白書 The Strawberry Statement
1970年アメリカ スチュワート・ハグマン監督


清々しい曲調の“サークル・ゲーム”、
俯瞰で見おろすボート部の練習風景、
タイトルはキュート、幕開けさわやか〜なこの作品は、
1968年、米国コロンビア大学で実際に巻き起こった
学園闘争に材をとった映画です。
この原作を著したジェームズ・クーネン自身も、
学生組織のchairman役で出演していました。

活動家に言わせれば「体制側」であるボート部員で、
その実、単なるノンポリの
サイモン(ブルース・デヴィソン)は、
「ちょっとトレンドだし、ヨサげ♪」くらいの軽い気持ちで
(ここまでアホではありませんが↑)
学園闘争に参加し、学長室に立てこもりますが、
そこで、リンダ(キム・ダービー)という
かわいい女子学生を見初めます。
彼女はフェミニスト活動家で、実は彼氏もいますが、
サイモンのことを憎からず思い始めます。

ボート部員としての「体制側の学生」の生活と、
ボート部の仲間とのケンカで負ったけがを、
「警官にやられたのか?」と勝手に勘違いして
怒りをあらわにする活動家たちとの交流の狭間で、
サイモンの中で「何か」が目覚めます。
平和を願う人間が腐った警官に殴られてる、
こんな社会はおかしい!


この映画のモチーフになっている学園闘争の年、
1968年にまさに生まれた私は、
この時代の空気を全く知りません。
私にとっては単なる歴史のヒトコマでしかないのですが、
怒れる若者の普遍的な姿は、無理なく理解できました。
クライマックスの衝撃も語り種の、
青春映画のある種の傑作といえましょう。

「いちご白書」のいちごについては、
作中、説明がされていました。
「学生たちの主張は、
「僕らは赤い苺が好き」
と言うのと変わらない戯言だ」と、
そういう趣旨のことを、大学学長が言ったんだそうです。
赤(アカ)はもちろん、共産主義の暗示でしょうが
ふ〜〜ん。
でも、おかげで
こんなに印象的なタイトルになってしまった皮肉って……。


ユリノキマリ |MAILHomePage