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ハモンハモン Jamón, jamón 1992年スペイン ビガス・ルナ監督
今やハリウッドの人気女優の1人となった ペネロペ・クルスがまだ十代の頃に出演し、 体当たりの演技(プッ)と 情熱的な美しさが話題になった作品です。
売春斡旋宿を切り盛りするカルメンの娘 シルビア(ペネロペ・クルス)は、 大手下着メーカーの縫製工場に勤めていますが、 会社の御曹司ホセと恋仲にあり、妊娠します。 ホセの母親であるコンチータは、 自分の夫マヌエルとの過去の関係もあり、 カルメンをよく思っていません。 当然、2人の仲にも反対していて、 仲を引き裂くために、ラウルという男を雇い、 シルビアを誘惑させます。
ところで、ラウルの美しくたくましい肉体は、 コンチータ自身にとっても魅力で、 彼女もまた、ラウルと関係を持つのですが、 最初はラウルに洟もひっかけなかったシルビアが、 だんだん彼の情熱にほだされていき、 ラウルもシルビアを深く愛してしまったことで、 コンチータを拒絶するようになります。
一方、ホセはホセで、シルビアを愛しながら、 母親のカルメンとも肉体関係にありました。 シルビアの愛を失って傷つきながら、 カルメンとの肉欲に溺れるホセと、 ホセとの仲を引き裂くために雇ったラウルに惹かれ、 今度は息子ホセに発奮させてシルビアとよりを戻させ、 ラウルを奪還しようとするコンチータ……
もう、これだけでも訳わからないのですが、 そこにコンチータの夫マヌエルまで参入させ、 エロエロ、ドロドロの愛欲スクランブル状態になった末、 ヤケを起こしたとしか思えない結末を迎えます。
やり過ぎ、エロ過ぎ、ムダ多過ぎ…と、欠点だらけなのですが、 何だか、思い出すと胸が熱くなるような作品でもあります。 ペネロペ自身は、 この映画に出たことを後悔しているという話もありますが、 当時から情熱的な美しさは、息を呑むばかりでした。
ハモンという語自体、“ハム”“生ハム”の意味もありますが、 ハモンハモンとは、 “むしゃぶりつきたいようないい女”の意味だそうです。 作中、ラウルがハム店で働いているという設定もあったので、 ダブルミーニングでもあるのでしょう。 映画の中で、食いでのありそうなハムも登場しました。
余談ですが、 他国で公開されたときのタイトルが笑えます。 Ham Ham、 Salami, Salami そして、アメリカビデオ発売時のタイトルは A Tale of Ham and Passion(ハムと情熱の物語?)だったとか。 香港のB級コメディーかと思いましたぜ。
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