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2003年04月06日(日) |
映画よろず屋週報 Vol46「ぼのぼの クモモの木のこと」 |
*****映画よろず屋週報 Vol46 2003.4.6*********************
皆さん、こんにちは。大変ごぶさたをいたしました。 まだ本調子とは言えないので、 ぽつぽつと休刊することも考えられますが、 とりあえず、よろしくお願いいたします。
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本日は「○○特集」ではなく、 映画を1本だけ御紹介いたします。 60分そこそこのアニメーションなのですが、 絵柄の美しさと繊細なストーリー運びがすばらしいので、 ミヤザキだけがジャパニメーションじゃない!ということで、 おすすめいたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ぼのぼの クモモの木のこと 2002年日本 クマガイコウキ監督
どちらかというと、いわゆる不条理マンガで鳴らした いがらしみきお氏が、 1986年、ラッコを主人公にした“哲学マンガ” 『ぼのぼの』を発表し、18年目に突入しました。 絵柄はもちろん、キャラクターの設定にも 少しずつ変化を見せながらも、熱く支持され、 コミック(竹書房)は現在、22巻まで刊行されています。
1993年、初めて劇場映画化された後、 95年から96年にかけて放送されたテレビアニメも 大好評を博しました。 そして昨年2002年、満を持してという感じで、 オリジナルストーリーによる、フルCGアニメになって ぼのくんたちが帰ってまいりました。
ぼのぼのたちが住む森には、 クモモの木と呼ばれる大木があります。 森の動物たちはみんな、辛いことや悲しいことがあると、 この木の下にやってきて、その心を癒すのでした。 大切な宝物をなくしてしまったぼのぼのは、 同じように、無くし物をしてうろたえるシマリスくんと、 たまたま一緒に遊んでいたアライグマくんとともに、 クモモの木のもとに足を向けますが、 その下には、 大きな青い目をしたフェレットがたたずんでいました。 前にも木の下で見かけたことのあるその子が ぼのぼのは気になっていましたが、 話しかけると、逃げてしまいます。
アライグマくんの幼なじみらしく、 ポポという名前であること、父親が乱暴者で悪評が高く、 そのせいでホポくんも 森の中で除け者にされてしまったことなどを 教えてくれました。
ぼのぼのはその後、 ポポくんがなぜその木の下にいつもいるのかを知り、 それを心から理解することができたため、 ポポくんと大の仲良しになるのですが、 ある日、クモモの木に関する事件が発生し……
一緒に見ていた相方が、キャラクターの絵柄を見て、 「ぬいぐるみだなあ」と表現しました。 確かに、あの動物たちの毛の質感は感動的です。 いかにも、抱っこしたらふわふわで気持ちよさそうで、 あんな感じのぬいぐるみを売り出したら、 ヒーリンググッズとして当たるかもしれません。 (動物の毛にアレルギーのある方にはおすすめできませんが)
以前から、「ぼのぼの」の登場キャラクターについては、 寒い地方の生き物と、 東南アジアやアフリカあたりの生き物とが混在していて、 一体どこが舞台なんだ〜?という指摘はありましたが、 なるほど、『くまのプーさん』と同じように、 ぬいぐるみの世界の話だと考えたら、 「もう1つの100エーカーの森」くらいに思えることでしょう。 そして、「ま、どこでもいいか」となるはずです。
心がささくれ立っているとき、悲鳴を上げそうなときに ぜひとも触れてみたい世界です。 キャッチコピーともなった 「思い出はみんな美しい」という言葉を手元に置いて、 味わい尽くしてくださいませ。
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