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2003年02月11日(火) スティル・クレイジー

記念日サイトで「2月11日」を見たら、
こんな出来事が載っていました。

バンドブームを起こした
TBS『平成名物・イカすバンド天国』が放送開始
(1989年)


俗に「イカ天」と呼ばれた人気番組で、
最後まで曲を演奏することができたときの、
完走ならぬ完奏なる言葉は、
ちょっとしたブーム?になりましたが、
さて、イカ天出身バンドで現在も名前が残っているのは?
……日本の音楽シーンに全く詳しくないので、
(海外に詳しいわけでもありませんが)
これ以上の追求は避けましょう。


バンドの人間模様を描いた映画には傑作が多いですが、
今日はこの映画にいたしましょう。

スティル・クレイジー Still Crazy
1998年イギリス ブライアン・ギブソン監督

公式サイトはこちらです

大ヒット映画というのは、
一種の記号として使われることがあります。
オシャレ(と思われたい)人間の部屋には
○○や△△のポスターが張ってあるのはありがち、
障害をはらんだボーイ・ミーツ・ガールの映画というと、
すぐに「□□版○△×」と呼ばれる等々。
私もウェブ上で必要以上に嫌われたくないので、
固有名詞を出すのは差し控えますが、

そうした言い回しには、
余り好意的な意味はないことが多いのもまた
よくある話です。

20年前は結構イケてたのに、
元人気バンド、今やただのくたびれたオヤジの集団の
奮闘記であるこの作品は、
ロック版『フル・モンティ』などという名前で
売り出されておりました。
この作品も『フル・モンティ』も大好きな私には、
特に異論はございません。

1977年、ウィズベック野外ライブを最後に解散した
「ストレンジ・フルーツ」
キーボード担当だったトニー(スティーブン・レイ)は、
同ライブの20周年記念イベントに参加するため、
当時のメンバーに召集をかけます。
トニー自身が「家族計画グッズ」の
風采の上がらないセールスマンでしたが、
元の仲間たちを探してみると、ヤク中あり、
借金で首が回らない奴あり、
音楽で辛うじて成功しているかと思えば、
内実は相当にお寒い生活をしている奴あり…で、
どうも盛り上がりません。

マネージャーだった
カレン(ジュリエット・オーブリー)は、
ホテルで働きながら女手1つで娘を育てていますが、
娘まで巻き込み、トニーに協力してくれます。
メンバーとは全く関わりのない男性と結婚し、
結局は離婚した彼女でしたが、
メンバーの中に熱烈に愛していた恋人がいたのでした。

そうして何とか集めたメンバーは、
再結成、そして勘を取り戻すべく、
ツアー(どさ回り)を繰り広げますが……

それほど悪意を感じさせない、
何だかほっこりするような笑いを提供しつつ、
ちゃんと「ロックの映画」になっているのは立派です。
また、ほろ苦い人間ドラマもいいアクセントになっていて、
きちんと人間が描写できているところに好感が持てます。


ユリノキマリ |MAILHomePage