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2003年02月14日(金) |
ミッドナイト・エクスプレス |
1944年2月14日、 映画監督のアラン・パーカーが生まれました。
ミッドナイト・エクスプレス Midnight Express 1978年アメリカ アラン・パーカー監督
1970年代初頭、 アメリカの青年ビリー・ヘイズ(ブラッド・デイビス)が トルコに恋人と旅行した際、麻薬不法所持で逮捕されました。 最初は微罪として、 対応次第ではすぐに出られるかと思いきや、 アメリカとトルコの関係が悪化するに伴い、 政治的な取引の材料にされてしまって、 終いには絶望的な長期の懲役を言い渡され……
一般的に、映画の評価が2割は上がると言われる(嘘) いわゆる実話ベースものです。 実際日本人でも、全くの濡れ衣で 外国の刑務所に収監された例は結構あるようですし、 乱暴に言えば、「明日は我が身」な展開が 体の芯まで冷やしてしまいそうな映画でした。
ひっかかるのは、 ビリーが麻薬を所持していたのは 濡れ衣ではなく事実だということ、 そして、彼も含め彼の周囲も、トルコという国を舐めきって、 「すぐ出られるだろう」とかなり緩く考えていたという傲慢さ、 これぞアメリカ人って感じの態度が目につくところでした。
とはいえ、 裁判のたびに延期される刑期に絶望し、 反省しながらももがくビリー青年の姿や、 アホ息子の不始末のために奔走する父親、 恋人とのガラス越しの面会などを見ているうちに、 引き込まれていこものがあります。
ただでさえ言葉の通じない異国で、 刑務所環境の劣悪さは目を覆うばかりです。 また、服役前はノン気だと思っていた男も、 男性との睦み合いに目覚めちゃったりします。 (同じく刑務所が舞台の『ショーシャンクの空に』でも、 ム所で同性愛に目覚めだ男たちのことを 「女がいないから男とヤっているだけ」と言っていましたが…) 生き地獄というものが本当にあるのならば、 ここは間違いなくその1つでしょう。 実話とはいえ、1人の愚かな若者の視点でしかないわけで、 そうした描写の数々が、 偏に差別的に映るのも仕方ないことですが、 これも映画の表現方法の1つだと思って見られれば、 受け入れられるかどうかはともかく、 存在に納得することはできるのではないでしょうか?
というような意味で、 大っ嫌いだけれど、おすすめな作品として 御紹介させていただくことにしました。
ちなみに脚本は、 今や監督としても知名度が高いオリバー・ストーンです。
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