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2003年01月17日(金) ミスター・ソウルマン

アメリカでのお話。
いわゆるAA(アファーマティブ・アクション。
ア○キー・アートではありません
により
従来、不当に差別されてきた層を、
大学進学や就職に関して優遇するなどの措置が、
今は逆差別では?と言われる状況になっているようですが、
今朝、新聞でミシガン大学の入試関係の記事を読んで、
次の映画を思い出しました。

ミスター・ソウルマンSoul Man
スティーブ・マイナー監督
(1986年アメリカ)


アイドル、C.トーマス・ハウエルが、
家は裕福、両親は進歩的で理解があり、
名門ハーバード大学に進学予定…という、
ぶっとばしたくなるような境遇の
お坊っちゃまマークを演じましたが、
その「進歩的で」というのがクセモノでして、
大学進学に当たり、
何と学費を自分で稼げ!と言われてしまうのでした。

彼はとりあえず奨学金利用を考えますが、
1つ空きのあった奨学金は、
優秀な黒人学生であることが条件でした。
ならば、肌を黒くすればいいんだ!と、
特殊な薬品を利用して、まんまと黒人の肌を手に入れますが、
その肌で意気揚々と臨んだキャンパスライフは、
白人だったころの自分には想像もつかないものでした。

「黒人ならバスケが得意なはず」
試合に駆り出されて苦労したり、
今までなら、自らも一緒になって言っていたかもしれない
黒人蔑視のジョークを白人の学生たちが言っていても、
自分の姿を見ると引っ込めてしまったり、
「悪気はなかった」などと謝ったりする始末です。

そんな中で、マークは魅力的な黒人の女子学生
サラ(レイ・ドーン・チョン)と知り合います。
彼女は勉強熱心なシングルマザーでしたが、
話をする中で、自分が奨学金を受けなければ、
彼女にそのお金が回っていたかもしれない事実を知ります。
サラにすっかり恋をし、罪悪感にさいなまれるマークでしたが、
もはや引っ込みがつきません。

この種の、特に80年代にいっぱいつくられたような
アメリカ産青春コメディーを見慣れた方には、
容易に想像のつくようなオチで、
凡作といえば凡作なのですが、
それなりに問題提起するものもあり、
なかなか魅力ある作品だと思います。
C.トーマス・ハウエルとレイ・ドーン・チョンとの
プライベートでのfall in love(ただし短命)も
ちょっとだけ話題になりました。


ユリノキマリ |MAILHomePage