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サム・サフィ Sam Saffit 1992年日本/フランス ビルジニ・テブネ監督
派手なコスチュームでストリップ小屋で踊っていた エヴァ(オーレ・アッテカ )は、 ある日突然、「まともな生活」に憧れ、 Sam Saffitと戸口に書かれた海辺の家で暮らし始めます。 フランス語で「もうたくさん!」という意味だとか。 彼女は自由きままな生活にうんざりしていたのです。 ……………。 マジメそうに見えるスーツを着て、ごくごく普通に働いて、 そんでもって、ごくごく普通に暮らすことに、 彼女は「憧れ」ました。 ……………。
その後、年老いたホモカップルの家に住み込みで家政婦をしたり、 役所の窓口で働きながら、マジメそうな男(=結婚相手)を探したり、 そんな日々を送るようになるのですが、 ひょんなことから、人生の方向を変える出来事が2つ起こり、 結局彼女は「華やかな幸せ」をつかむのでした……。
途中、二重に所得を得ていたために、 税金をバカ高く請求されたり、 遅刻や事務能力の低さに対して嫌みを言われたり、 それなりに「やなこと」や「しがらみ」もあるにはあるものの、 結局、余り物事を深く考えない愛すべき女性が、 それなりに幸せになってしまうという、それだけの話です。
ごく私的な感想を述べれば、 自由奔放に生きてきた彼女が憧れる「普通」って、 すごく紋切り型なんですね。 でも、大抵の人が体験する「普通の生活」というのは、 確かに平凡ではあるものの、 決して紋切り型ではないと思いませんか。 全く適切とは言いがたいものの、 「幸せな家庭は皆似ているが、 不幸な家庭はそれぞれに不幸」 ってやつです。 トルストイ『アンナ・カレーニナ』より 不幸、というのは、そう大仰な意味での「不幸」でなくても、 ちょっと嫌なこととか、悩みとか、そういう意味で。 これもいわゆる、「隣の芝生は青い」ということなのでしょうが。
この種の映画の常とも言えますが、とにかく画ヅラはおしゃれです。 色使いはポップそのものだし。 ここ数年はやりの、雑誌によくある「私の部屋見て!」っぽくて、 まねしたくなるようなアイディアがぎっしり詰まっています。 (特に金魚の水槽……金魚的にはどうかわかりませんが) 「これが本当の金魚(近所)迷惑」などと口が滑ったらブチコワシと思いつつ、やっぱり言ってみる
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