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2002年12月04日(水) スターマン 愛・宇宙はるかに

1949年12月4日、
俳優のジェフ・ブリッジズが生まれました。
彼は過去に、ちょっと意外な役で
オスカー主演男優賞にノミネートされています。

スターマン 愛・宇宙はるかに
Starman

1984年アメリカ ジョン・カーペンター監督


ジョン・カーペンターといえば、どちらかというと
マニアの見る映画の監督というイメージを抱いていました。
まあ実際、そうなんでしょう。
だから、これ以外は全く見たことがありません。
が、あのジェームズ・キャメロンが
『タイタニック』を撮ったように、
この作品もまた、臀部がむずがゆくなるような邦題に恥じず、
とってもファンタジックなラブロマンスに仕上がっていました。

まだ若くして夫を亡くしたばかりの
ジェニー(カレン・アレン)は、
2人の思い出の曲、エヴァリー・ブラザーズの
All I Have To Do Is Dream(夢を見るだけ)
ギターを爪弾きながら歌い、嘆き悲しむ毎日でした。

時を同じくして、ボイジャー2の呼びかけに応じたエイリアンが
地球に飛来してきますが、軍隊に宇宙船を攻撃されて不時着し、
たまたま近所にあったジェニーの家にやってきて、
亡き夫の姿(ジェフ・ブリッジズ)に変身します。

不器用にローリング・ストーンズの
“サティスファクション”を歌ったり、
(NASAが交信時に、「地球の歌」として教えたらしい…)
人の話す言葉を一々模倣したり、どこか様子がおかしいものの、
愛する夫と全く同じ姿をした彼“スターマン”の出現に、
ジェニーは大いに動揺しますが、事情を何とか酌み取り、
彼の帰還の手助けをすることになります。
けれどもそれは、
政府・警察などの追手から逃れる旅になるのでした……。

敬愛する中崎タツヤ氏のまんがの中で、
「もし、攻撃的でも特に友好的でもない、
普通の宇宙人が地球に来たら?」
と、
少年たちが話し合うというものがありました。
その宇宙人は、世界平和を願いつつも、
自分では何も積極行動をしないし、
ゴミのポイ捨てはするし、人の噂話もするし、
本当にその辺にいる地球人と全く変わらないのです。
こうなると、ただ単に地球の人口が増えるだけで、
いいことはひとつもないのでは?
てか、宇宙人とか言ってるけど、
これってオレたちそのものでは……?と思いつつ、
「オレは違うぞ」と必死で弁解し合うというオチでした。

考えてみれば、地球人とコミュニケートできる地球外生命体が
本当に存在するとして、我々の前に姿を現すとしたら、
いわゆる宇宙人宇宙人した姿で現れるとは限りませんね。
ジョン・カーペンターは、このテーマで『ゼイリブ』なんてのも撮っていますが

逃走する2人は、当たり前のように恋に落ちますが、
それはかなわぬ恋でもあります。
異星人と地球人のコミュニケートというと、
どうしても『E.T.』を思い出しますが、
(そういえば、『E.T.』は、20年前の今日に本公開されたそうです)
この映画も、単純な観客に徹してみれば、
「何するかわかったもんじゃないエイリアンから
罪なきオンナコドモを救わねば」
という余計なお世話感が漂い、
そんなところがまた魅力でもあります。

『アンタッチャブル』のちんちくりんの会計士を演じた
チャールズ・マーティン・スミスが、
スターマンと何とかコミュニケートしようとする天文学者を演じました。
最初は友好メッセージを伝えたはずなのに、
本当に来ちゃったら、何故か侵略だと思って攻撃する、
こんな政府の身勝手な対応に不満を漏らすシーンが印象的です。


ユリノキマリ |MAILHomePage