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2002年11月15日(金) ピース・ピープル

毎月15日は、レンタルビデオの日です。
そこで、レンタルの楽しみの1つである、
日本未公開映画を御紹介しましょう。

ピース・ピープル An Everlasting Piece
2000年アメリカ バリー・レヴィンスン監督


北アイルランド・ベルファストが舞台の映画というと、
従来は『ナッシング・パーソナル』『父の祈りを』などなど、
どうしてもIRA絡みだったり、
ハードな政治・宗教等の事情がつきまとったりしますが、
この映画も、IRAとは全く無縁ではないものの、
基本は「バカがバカを大まじめに見せるコメディ」でした。

病院内の理髪店で理容師として働くジョージとコルムは、
患者の1人から、カツラ(ヘアピース)産業の話を聞き、
彼が現在仕事をしていないということは、
今のところ独占事業なのでは?と目をつけて、
商売のハウツーを伝授してもらい、カツラのセールスを始めます。
かくして、『ピース・ピープル』社設立です。

が、素人がガタガタの状態で始めた仕事ですし、
当然、専売特許でも何でもありませんから、
似たような事業を始める業者も出てきました。
その業者を相手取って訴えたら、
「クリスマスまでにより業績のよかった方が勝ち」という、
よくわからん結果を言い渡され、
とにかく、せっせと売るしか手がなくなりました。

見本品をうまいこと言って売りつけたり、
なかなか金を払おうとしない客がいたり、
いい顧客だと思っていたら、実はIRAだったため、
思わぬトラブルに巻き込まれることになったり、
御難続きなのでした……。

ドタバタ喜劇の正しい姿というのは、何だかんだ言って、
最後にはそれなりに安心させてくれることだと思うのですが、
(ホロッ、まで行くのは、まあよりけりです)
その点でもよくできていたと思います。

難を言えば、日本で余りよく知られていない俳優ばかりなので、
どうしても地味な感じが否めないのですが、
それはそれで、映画の持ち味にはマッチしていました。
スタイリッシュなNYや明るい西海岸が舞台の、
人気スターのプロモーションビデオのような映画とは
性質を異にしている、ということで。


ユリノキマリ |MAILHomePage