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2002年11月08日(金) バトル・ロワイアル

ただいま、国産品認識週間(11月7日→11月13日)…ということで、
引き続き、日本映画を取り上げたいと思います。

バトル・ロワイアル
2000年日本 深作欣二監督


その暴力描写の過激さから物議を醸し、
国会で槍玉に上げられて、結局、劇場上映はR指定扱い。
とにかく、センセーショナルなところばかり強調された超話題作ゆえ、
私自身は非常に偏見を持って、
「だ〜れが見るもんか」とすら思っていた1本でしたが、
残念ながら、これがとてもおもしろかったのです。

高見広春の同名の原作も、
ある文学賞の「選に漏れた」ことまで含め、
非常に話題になりました。

ある中学校の42人(男女各21人)が、小さな島に連れて来られ、
最後の1人になるまで殺し合うというプロットは、
この映画を見ている見ていないに関係なく、説明の要はないでしょう。

目を覆いたくなるような殺戮と破壊の繰り返しは、
それ自体よりも、見ているうちに「目が慣れて」しまい、
「ああ、あの子、頑張ってたけど死んじゃったよ」
くらいにしか思わせなくなるあたりが、もっと怖かったです。
しっかりとした演技力を見せつける藤原竜也
中学生には見えない山本太郎
(実は中学生+3歳の設定だと言われても、やっぱり見えない…)
鬼気迫る柴咲コウ、可憐な前田亜季など、
中学生役の魅力的な俳優陣も充実していました。
彼らが身につけている、淡い色のキュートな制服は、
人気ブランド「BA−TSU」によるものでした。

ちょっとしんどいことや、やりきれないことがあっても、
「それが引き金となって人を殺してしまう」ということは、
まあとりあえず、大抵の人はせずに済んでいます。
横行する少年犯罪にオトシマエをつけるという意味での殺し合いは、
作中、ビートたけし扮する教師の発する
「お前らが大人をナメているから」という台詞でも説明できますが、
どちらかというと、「人を殺さずに済んでいる人々」への
ちょっとした応援歌として受け取りたい気もしました。

劇場に見にいっても門前払いを食ってしまう
長女(初上映時、9歳だった!)が「見たい」と言ったので、
ビデオで個人的に見る分には無法地帯だからなあと、
一応、保護者の責任を負うつもりで一緒に見たのですが、
「見るんじゃなかった、あんなクソ映画」という、
用意していた「感想」がむだになったことが、
嬉しいような、悔しいような、そんな作品でした。


ユリノキマリ |MAILHomePage