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1969年11月4日、 俳優のマシュー・マコノヒーが生まれました。 怪しげやスプラッターホラーに出演したり、 「リンカーン」という名の実直だけが取り柄の お巡りさんをやったり、 (『ボーイズ・オン・ザ・サイド』) かと思えば、血の気の多いトラッカーを ファンキーに演じたり、 (『小さな贈り物』) そんな彼が、「第二のポール・ニューマン」として 俄然注目された作品がありました。
評決のとき A Time to Kill 1996年アメリカ ジョエル・シュマッカー監督 今や映画ファンにはおなじみの作家 ジョン・グリシャムの小説に材をとった、 アメリカ(特に南部)の今なお根深い人種問題や、 敵討ちの発想による罪の連鎖など、 とにかく、いろいろと考えるところのある作品でした。
黒人の10歳の少女が白人の男にレイプされ、 将来、子供を産むことができなくなるような傷を負います。 これに激しい憤りを感じた 少女の父親カール(サミュエル・L.ジャクソン)は、 被疑者の男2人をライフルで射殺してしまいました。 その際、白人の警備員(クリス・クーパー)までが とばっちりで致命的な傷を負ってしまったこともあり、 カールは、かなり不公平感漂う裁判にかけられます。
この勝ち目のなさそうな裁判の 弁護士を引き受けることになったのは、 若い熱血型のジェイク(M.マコノヒー)でした。 検察側のバークリー(ケビン・スペイシー)はそれを知り、 「誕生日でもないのいプレゼントをもらったようなものだ」と 嫌みったらしく余裕の笑みを浮かべ、←本当に嫌な奴 カールを極刑に追い込む気満々でした。
それでもジェイクは、 父のような存在でもある 大先輩のウィルバンクス(ドナルド・サザーランド)や、 親友ハリー(オリバー・プラット)などの弁護士、 さらに、「家が裕福だから報酬は要らないわ」と 助手を買って出る法学生エレン(サンドラ・ブロック)の 協力も得て、蟷螂の斧を振りかざすように、 カールを何とか無罪にしようと頑張ります。 が、警備員がカールに同情的な証言をしたことが 却って心証を悪くしたり、 カールに兄を殺されたことが引き金となり KKKに入ったフレディー(キーファー・サザーランド)が、 嫌がらせにエレーンを拉致したり、 妻カーラ(アシュリー・ジャッド)にも累が及んだりと、 くじけるには十分過ぎるほどの艱難がごろごろとしていました。
注目すべきは、 ひたすら差別される側の黒人のエゴイズムにも ちゃんと言及していることでした。 何しろ上記のような超豪華キャストですし、 見せ方も派手なエンターティンメントにはなっていますが、 視点を違えれば当然に思えたり傲慢さに映ったりするような 描写があり、2時間半、飽きさせずに引っ張ります。 幕引きの、どこか皮肉な空気さえ、味な感じがしました。 (と私は感じましたが、まあごらんになってみてください)
しかし、サザーランド親子は相変わらず似ている! 片や、アル中気味だけれども 尊敬と親愛を寄せたくなる弁護士、 片や、KKKに入っていく男、 (↑この説明だけで、人となりとかはもうどうでもいいって気が…) 同じような顔で対照的な役柄だものですから、 作中2ショット(というか絡み)がなくて 本当によかったと思います。 あったら、絶対混乱していたことでしょう。
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