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2002年09月06日(金) 死への逃避行

ここのところ、テーマがどうも語呂合わせ記念日ばかりなのですが、
今日9月6日も、「ク(9)ロ(6)スワードの日」に因み、
クロスワードパズルが登場する映画を御紹介します。

死への逃避行 Mortelle Randonnee
1983年フランス クロード・ミレール監督

泣きべそ顔の美女イザベル・アジャーニー
七変化が楽しい作品でした。

ミシェル・セロー演じる私立探偵“タカの目”は、
仕事に没頭し、家族に見限られてしまいました。
そんな彼は、ある女性(I..アジャーニー)の身辺調査を依頼されますが、
彼女ことカトリーヌは、その美貌で男性を(時には女性)を魅了し、
さして、それらの人々を、おもしろ半分のように殺していきます。
彼女はターゲットを変えるたびに、
ヘアスタイルをかえ、ファッションをかえ、名前をかえ、
全く違ったタイプの美女として、“タカの目”の前に登場します。

“タカの目”には実は娘がいましたが、
別れた妻が連れていってしまい、
成長ぶりを知らないまま亡くなったことを知ったため、
カトリーヌを「娘が生きていれば、このくらいではないか」
と、縁のなかった愛娘のイメージとダブらせるようになり、
そのうち、仕事というよりは
娘を見守る父親の気持ちになっていました。
一方、カトリーヌがシリアル・キラーになってしまったのも、
不幸な少女時代が反映されていたりします。

作中“タカの目”が、クロスワードパズルをするシーンがあります。
名前は切れ者っぽいけれど、
何となく風采の上がらない探偵だということが、
そのシーンでうまいこと表現されていた気がします。

ところで、イザベルの七変化ですが、
ウェーブのかかった金髪で“ジタン”を吸ういい女風、
黒髪をショートにしたキュートタイプ、
ちょっぴり野暮ったい感じのブラウンヘア、と、
本当に多彩で、見ていて飽きません。
ああ、美人は何やっても絵になるなあと、
ひたすら彼女の魅力に酔うのも一興です。

フランス映画独特のムード(言葉だけでも芝居がかっている!)と、
不思議にヒューマンな温かさが同居した、
ちょっといい感じのサスペンス映画です。


ユリノキマリ |MAILHomePage