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2002年09月05日(木) 幸福の黄色いハンカチ

9月5日はクリーンコールデー……というわけで、
本日は、日本の炭坑町がちょっぴりですが登場するこの映画を。

幸福の黄色いハンカチ
The Yellow Handkerchief of Happiness
1977年日本 山田洋次監督


日本を舞台にした短編集『東京スケッチブック』などでも知られる
アメリカ人作家ピート・ハミルのコラムに材を得た、
心温まるロードムービーです。

退職金をはたいて買った車で北海道一人旅としゃれこんだ
若くて調子のいい欽也(武田鉄矢)は、旅の途中、
失恋して傷心旅行中の朱美(桃井かおり)、
それから、どこかワケアリ風の島勇作(高倉健)と知り合い、
旅は道連れの言葉どおり、3人で北海道を見て歩くことになります。

それぞれ個性の違う3人は、いがみ合うこともありましたが、
だんだんに打ち解け、そのうち勇作の秘密を知ることになります。
彼は実は、もとは夕張の炭鉱夫で、
光枝(倍賞千恵子)という愛妻もいましたが、
人をあやめた罪で刑務所に入り、
そのお務めから解放されたばかりでした。
彼が刑務所から光枝に送った手紙には、
もし自分を待っていてくれるのならば、
物干し竿に黄色いハンカチを干してくれと書いていましたが、
それを確かめにいく勇気を出せずにいたのでした。
何とか勇作に家に戻ってほしいと、勇作を奮い立たせようとする
欽也と朱美でしたが……

何というか、奇跡のような一編だったと思います。
ベタベタだのウェットだののそしりもありましょうが、
この日本で、全く構えず正攻法で、
こんなにステキな映画をつくり得たのですから。
実際に見ていなくても、
ストーリーや設定は知っているという方が
かなり多いでしょうが、
やはり、まずは自分の目で見てみなくては。
(特にあのシーンは)

それから、ずーっと昔から疑問に思っていたのですが、
「黄色いハンカチ」って、実際には余り売っていませんよね?
特に全く無地のやつって。
(多分、原案自体が、西部劇でおなじみの「黄色いリボン」に
ちなんでいる部分があるのでしょうが)
ちなみにうちには、黄色いハンカチというと、
黄色い生地を「顔」に見立て、ポケモンのピカチュウの目鼻が
プリントされたものしかありません。
アレをソレとして干すことを考えると、物すごい違和感を覚えます。
カワイイですけどね。

監督が、「男はつらいよ」シリーズでおなじみの山田洋次氏らしく、
故・渥美“寅さん”清さんや、太宰“タコ社長”久雄さんの出演も
ちょっとした見どころといえましょう。

ところで、余りにも有名なあのシーンは、
実は厳密にはラストシーンではありません。
本当のラストシーンのオトボケ処理からも、目を離しませんように。
(早送りしたり、途中で巻き戻ししたりしちゃやーよ)


ユリノキマリ |MAILHomePage