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2002年07月27日(土) この愛に生きて

この愛に生きて  For Keeps
1988年アメリカ ジョン・G・アビルドセン監督


「80年代青春路線で」「モリー・リングウォルド主演で」
「高校生が妊娠しちゃって」「この邦題…」
はっきり言って、クサされるためにあるような作品なのですが、
(そう言うワタクシも相当偏見持ちであることを露呈しています)
これが意外と「悪くない」んですよ。バカにしたものでもないというか…

ダーシー(M.リングウォルド)とスタン(ランダル・バティンコフ)は、
優等生同士の人もうらやむカップルです。

愛し合う2人が、お互いともっと深く関わりたいと思う気持ちは、
一応自然な情動として理解しましょう。
でも、避妊を怠るのは感心しませんな。
ダーシーは、生理不順の治療のためにピルを呑んでいましたが、
スタンに「遊んでいる子」だと思われるのを恐れ、
肝心のときに呑まなかったので、
BINGO!で妊娠してしまいました。

家族ぐるみのおつき合いをしていた2人でしたが、
その家族たちにも打ち明けられないまま、
お腹の赤ちゃんは育っていきます。
悩んだ末、どうしても中絶に踏み切れず、
赤ちゃんを産むことを決意します。
先々の苦労を考えていないわけではないけれど、
ユニークな胎教を施したり、何だか楽しそうな若い2人には、
なんにも言えません。

数々の艱難に時にはへこみながらも、
若い2人は、生まれてきた娘や自分たちにとって何が「いい」ことか、
一生懸命模索し、ひたむきに頑張るのでした。

…という、さわやかな映画の展開がアダになって、
まるで「高校生よ、赤ちゃんを産もう!」
というメッセージを送っているかのようにとられ、
リングウォルド自らが、「妊娠しないようにしましょう」
“声明”を発表するオチまでつきましたが、
おできでもとるように中絶する娘っこがデカい面したり、
「流産」という形で安易に決着つけたつもりになっている映画より
(全部が全部とは言いませんけど)
ずっと不愉快のないものでした。


ユリノキマリ |MAILHomePage