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1931年6月20日、俳優のマーティン・ランドーが生まれました。
タッカー Tucker: the Man and His Dream 1988年アメリカ フランシス・フォード・コッポラ監督
公開当時は、「製作総指揮ジョージ・ルーカス!監督コッポラ!」 と、『アメリカン・グラフィティ』とは逆の組み合わせなども話題で なかなか鳴り物入りの大作だったと記憶していますが、 そうしたバックグラウンドとは無関係に、 古きよき時代のアメリカが粋に描かれた、 ロマンチストのコッポラらしい、温かで魅力的な作品です。 (実話ベース)
1940年代、アメリカ。 エンジニア、プレストン・タッカー(ジェフ・ブリッジズ)の夢は、 「理想の車をつくること」でした。 美しく、走りがよく、安全な、そういう乗り物をです。 愛妻ベラ(ジョアン・アレン)や息子(クリスチャン・スレイター)たちも、 彼のよき理解者であり、協力者でもあります。 また、詐欺行為で前科のあるエイブ(M.ランドー)も、 彼の夢に「感染」し、何くれとなく協力する1人でした。
けれども、出る杭は打たれ、背の高いポピーはむしられるもので、 タッカーの秀逸な技術やアイディアは、 アメリカが誇る大自動車産業界、いわゆるビッグ3からにらまれ、 数々の妨害を受けるところとなるのでした。 とうとう裁判沙汰にまで持ち込まれてしまいますが、 彼は、理想の車を世に出すことができるのでしょうか?
結果として、彼がつくったタッカー・トービードは、 50台生産されたそうです。 運転免許も持たず、自動車については全く知識のない私ですが、 自動車がどうのこうのというよりも、 1人の男のひたむきな生きざまや、 映画そのものが持つ香気のようなものには大いに惹かれました。 裁判で、前科者のエイブが、検察に屈辱的なことを言われつつ、 親友タッカーのために証言台に立つシーンが印象的です。 (正直、饒舌に最終弁論を繰り広げるタッカーの多弁より、 彼が証言台で発した、あるたった一言の方が、 今でも印象深いものがあります)
この映画にまつわる小話で、結構好きなのは、 監督のコッポラが、この映画を撮る際の名義に、 ミドルネームのフォードを入れたことについて、 「自動車の映画だから、フォードも入れた」と言ったことでした。 当然、タッカーに圧力をかけたビッグ3の中に、 フォードも入ってはいるのですが…
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