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2002年06月22日(土) 母の眠り

1949年6月22日、メリル・ストリープが生まれました。

母の眠り One True Thing
1998年アメリカ カール・フランクリン監督


ジャーナリストのエレン(レニー・ゼルウィガー)は、
アメリカ文学の権威である父親ジョージ(ウィリアム・ハート)を尊敬し、
家事万能の母ケイト(M..ストリープ)を軽んじているような娘でした。

けれども、ケイトが癌に侵され、しかも末期であるため、
彼女の介護や家事補助に人手が要るようになりますが、
そのために父は、エレンに仕事をやめさせ、その役目を言いつけます。
専業主婦をバカにしているような娘が、その役を負い、
しかも乗ってきた仕事も諦めざるを得ない…

これで事がうまく進むと思う父親の身勝手さに、
(↑というか、そこから生じる軋轢に目をつぶっていられる)
エレンは次第に疑問を感じるようになり、しかも、
父がつまみ食い的に女子大生と関係を持っていることを知り、
心底失望するのですが、
反面、傲慢にも軽蔑していた母の、
ハウスキーパーとしてのセンスのよさ、意外なほどの強靱さを、
次第に見直すようになります。

というような物語を軸に、
なぜかところどころにサスペンスチックな描写があり、
意外に楽しめるつくりになっています。

エレンには弟ブライアン(トム・エバレット・スコット)がいるのですが、
これが見事にいてもいなくてもどうでもいい役でした。
が、誰にも感情移入できず、映画を第三者的に楽しんだ者としては、
彼のキャラクターを、非常に好ましいと思いました。
傍流の人間だけが持つ、さらっとした魅力(別名、存在感のなさ?)で、
いわば清涼剤的な役割をそれなりに果たしています。


ユリノキマリ |MAILHomePage