Dailymovie
DiaryINDEXpastwill


2002年06月01日(土) ワンダー・ボーイズ

今日6月1日は、マリリン・モンローの誕生日(1926)に因む
マリリン・モンローの日です。
最近見たこの映画でも、
「モンロー」がちょっとしたキーワードになっていました。

ワンダー・ボーイズ Wonder Boys
2000年アメリカ カーティス・ハンソン監督


デビュー作が高い評価を得た後が続かない、
小説家で大学教授のグラディ(マイケル・ダグラス)は、
妻に逃げられ、女子学生ハンナ(ケイティ・ホームズ)と同居し、
学部長サラ(フランシス・マクドーマンド)と不倫関係にある、
そういうよくわからん男です。
その上、いい年をしてドラッグに頼って自己逃避する姿は、
「巻き込まれる男」にぴったりです。

そんなグラディの周囲にいる人間もまた、
何となく「浮いた」人が多く、
特に、彼が担当する創作クラスのジェイムズ(トビー・マッガイア)は、
才能はあるものの、とにかく気が滅入るような話を書く天才で、
しかも、映画人の「自殺の歴史」には誰より詳しいという青年です。
(しかも、必ず頭文字のアルファベット順に言ってしまう習慣があるのが、
何となく笑いを誘います)
彼が、映画の趣味が合うハンナと親しくなったことで、
ハンナと近しいグラディにも接近し、
しかも、グラディの担当編集者で同性愛傾向ありそな
テリー(ロバート・ダウニーJr.)にも気に入られます。
が、ちょっと陰気なおとなしい青年かと思っていたジェイムズは、
とんでもない嘘つきの上に、何をしでかすかわからない
食わせ者でした。

その「何をしでかすか…」には、サラがオークションで競り落とした
モンローがディマジオとの結婚当時に着ていた丈の短いジャケットを
盗んでしまうというのもありました。
「彼女は小さい人だった。知っている人は少ないけれども…」
そう言いながら、そのジャケットに触れて涙するジェイムズは、
その後、さらにとんでもないことをやらかし、
グラディを災難に次ぐ災難の世界へと誘うのでした……。

役者としてのトビー・マッガイアも、位置づけのよくわからない人です。
抜群に勘のいい人ではありますが、
時に知的に見えたり、トロそうに見えたり、
イモっぽかったり、結構ハンサムだと思えたり、
その正体が全くつかめません。
そんなところがジェイムズの役柄に合っていたと思います。

乾いたタッチのコメディーで、相当皮肉な話ではありますが、
「人生、捨てたもんじゃないかも」と思える展開にも、
捨てがたいものがあります。
ボブ・ディランの枯れた感じの主題歌もいい雰囲気でした。


ユリノキマリ |MAILHomePage