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2002年04月18日(木) |
スタンド・バイ・ミー |
1987年4月18日、少年映画の傑作『スタンド・バイ・ミー』が 日本で公開されました。 折も折、ちょうどこの映画について、 相方と話をしていたところでした。 いつもと違い、ちょっとケチもつけてしまったのですが、 よかったら読んでみてくださいませ。
スタンド・バイ・ミー Stand by Me 1986年アメリカ ロブ・ライナー監督
原作は、アメリカホラー文学界の巨人、スティーブン・キング。 数々の傑作は、映画の題材としてしばしば採用されていますが、 どうも原作だけでなく、御本人がかかわった映画は 評判が芳しくないというのは、ちょっと気になるところです。
この映画の原作は、『The Body(死体)』という短編でしたが、 新潮文庫『スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編』に 納められています。 「死体」というタイトルどおり、 4人のさまざまな境遇でそれぞれに悩みを抱えている少年たちが、 行方不明になった少年の死体探しの旅 (本人達は冒険のつもり)に出るというもの。
仲良し4人組というのは、 往々にして2・2で別の組をつくってしまうものですが、 4人のうち、かなりのウェートで扱われているのは、 荒んだ家庭環境に負けず、 後に弁護士になるクリス(リヴァー・フェニックス)と、 大好きだった兄(ジョン・キューザック)の死にショックを受け、 さらにその兄をお気に入りだった父に疎んじられて傷つく 作家志望の少年ゴーディ(ウィル・ウィートン)でした。 2人の少年の、傷をなめ合うような辛い思いの告白が 映画の見せ場の1つでもありました。
1958年のアメリカの片田舎を舞台に、 オールディーズのヒット曲の数々や、 余りにも有名な、4人で線路の上を歩くシーンなど、 「ノスタルジックとは、こういうことさ」とでも表現したい、 鮮やかな思い出の映画ですが、 実は私、この作品を手放しで褒める気にはなれないのです。
というのも、どうしてもわからなかったんですよ、 見ず知らずの少年の死体を探しにいこうと駆り立てられる気持ちが。 ところどころ好きな描写などはあるのですが、 どうしても、あの旅の目的が「死体探し」だったことを考えると、 「あ〜、でも、何で?」という疑問が先に立ってしまって、 素直に感情移入できません。 かといって、それを女という性別のせいだけにされるのも、どうも… 少年ならば、無条件で惹かれる動機なんでしょうか、「死体探し」って。 それとも、動機はどうでもよくて、 ただ冒険の旅に出るということが重要なのでしょうか。 だとしたら……私には、もっと訳がわかりません。
就職した年だったと思いますが、 当時住んでいた家のすぐ脇の道路が、 近くの高校のマラソン大会のコースだったのですが、 しんどそうに走っている子を見て、 「あ〜あ、社会に出たらもっと辛いこといっぱいあるのに、 今からそんなことさせられて、かわいそうに…」 と思った私の出身高校には、マラソン大会はありませんでした。 自分がマラソン大会経験あろうがなかろうが、 冒険の旅をしたことがあろうがなかろうが、 「がんばれよ」と素直に声をかけられるかどうか、 これは偏に感性の違いでしかないと思います。
というわけで、本日は、「好きな映画」ではなく 「よくできているし、嫌いじゃないけど納得いかない映画」に スポットを当てさせていただきました。
そうそう、4人の魅力ある少年スターたちは、その後どうなったか?
リヴァー・フェニックスは、その後も数々の映画に出演し、 オスカー助演賞候補になったこともありましたが、 9年前の10月に23歳の若さで亡くなりました。 死それ自体が衝撃でしたが、実はドラッグ中毒だったといううわさに うちのめされたファンも少なくないでしょう。
ゴーディ役のウィル・ウィートンも、そこそこ映画出演しましたが、 私が最後に見たのは、ロビン・ウィリアムズ主演『フラバー』の アホ大学生役でした。あれはショックだった…… 余りにもかわいい顔をしていたので、 老け方に完全に失敗した感がありますが、 それこそ、スティーブ・ブシェーミみたいな路線は狙えないかと 個人的には思っております。
眼鏡と、父親の虐待を物語る耳の形が痛々しいテディ役の コリー・フェルドマンは、 90年代に入ると、日本公開作がほとんどなくなってしまいましたが、 あれこれ出演はしているようです。 演技力のある人だと思うので、ある日ひょっこりお目にかかれるかも。 30歳になったそうです…
おでぶでひょうきん者のバーンズを演じたのは、 最年少のジェリー・オコネルでしたが、 この人が一番の出世株かもしれません。 トム・クルーズ主演の『ザ・エージェント』で、 どのチームも欲しがるような 大学のフットボールプレイヤーを演じたほか、 青春映画の「イケてるマッチョ系」を、そこそここなしています。 ぽちゃぽちゃのお肉が、うまいこと筋肉にすり変わったのでしょう。 顔立ちも、優しげなハンサムになりました。
また、この4人だけでなく、印象的なキャラクターを演じた人として、 キーファー・サザーランドも挙げられます。 眩しい金髪に個性的なマスクで、「界隈でも有名な不良」として 4人の子たちを楽しそうにいたぶっていました。
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