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2002年04月17日(水) 第十七捕虜収容所

4月17日は、ウィリアム・ホールデンの誕生日です。(1918年)
数々の名作を残し、1981年11月に他界しましたが、
彼のベストワークともいえる、そして私が大好きな映画を。


第十七捕虜収容所 Stalag 17
1953年アメリカ ビリー・ワイルダー監督


ドイツ軍の捕虜収容所、
捕虜の中には脱走計画を所長に漏らしているスパイがいて、
そのおかげで、脱走の試みはすべて失敗している。
さあ、裏切り者は誰だ?
一番疑わしいのは、物品調達やびっくりするような発明で
みんなからあてにされている男(ウィリアム・ホールデン)だが、
本当に彼がそんなことを?

というようなプロットの、緊張感あふれる……コメディーでした。
サスペンスとしてのドキドキ感や、捕虜収容施設の雰囲気も
非常によく伝わってくるのですが、かなり笑える物語でもあります。

解放されたら水道屋(ガス屋だったかも)になって、
女優のベティ・グレーブルの家に行って彼女と仲良くなるなどと言って、
仲間から呆れられている男が出てくるあたりに、時代を感じます。
『百万長者と結婚する方法』などでおなじみの、
わかりやす〜いブロンド美女ですね。
女っ気のない暗い収容所での生活には、女神が必要というわけです。

例えば刑務所映画だったら
『ショーシャンクの空に』なんかもそうでしたが、
必ず1人、要領のよさや独特の落ち着いた雰囲気で
頼りにされている男がいたり、
悲惨な状況下で、人間くさい生き方をきちんとつかみ、
時にはドタバタ喜劇さえ見せてしまうゆとり!
あんまり縁を持ちたくないような世界を描いた作品に、
我々は今まで何度心惹かれ、繰り返し触れ、
語り合ってきたことでしょう。

ドタバタでも安っぽく茶化した感じがしないのは、
さすがは名匠ワイルダーの手になるものでした。

良質のエンターティンメントを楽しみたいときに、ぜひどうぞ。


ユリノキマリ |MAILHomePage