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4月15日は、女優エマ・トンプソンの誕生日です(1959年)。
ハワーズ・エンド Howards End 1992年アメリカ ジェームズ・アイボリー監督
もはやお馴染みの 「フォースター原作/アイボリー監督」の1つですが、 びっくり。これはアメリカ資本の作品だったのですね。 でも、ほぼ「イギリス映画」の薫りしかしません。 エマ・トンプソンは、この作品の演技で アカデミー主演女優賞を受賞しましたが、 私としては、『いつか晴れた日に』でとってほしかった気がします。 (ちなみにこのときは、主演女優と脚色部門で候補になり、 結局は脚色賞を受賞したというのが、 いかにも知性派で鳴らす彼女らしいところです。 原作はジェーン・オースティンの「分別と多感」)
ドイツ系で財産はそこそこの知性派シュレーゲル家と、 お金はあるけどいまいち知性のないウィルコックス家が 繰り広げる愛憎物語です。 シュレーゲル家の長女マーガレットを演じたのがトンプソンでした。 彼女の妹ヘレン役が、こちらもイギリスを代表する 若手演技派の1人ヘレナ・ボナム・カーター。 ヘレンがウィルコックス家に滞在中、 次男ポールといいムードになり、 一方的に「彼と婚約した」と姉に手紙を書き送るところから 物語は始まります。
婚約は自分の勘違いだったというショックで 深く傷つくヘレンですが、 運命のいたずらというか、ウィルコックス家は たまたまシュレーゲル家の近所に越してくることになります。 人を見下した、不愉快な一族の中で、 姉マギーは、大奥様で唯一の人格者ルースと 世代を越えた友情で結ばれ、 ルースは自分亡き後、自分の生家であるハワーズ・エンド邸に 賃貸フラットの契約が切れた後、 マギーたちが住めるように遺言を残します。 が、ハワーズ・エンド自体に思い入れもないくせに、 ただ財産に固執する夫や息子たちに それは握りつぶされてしまいました。
けれども、マギーは意外なつてで、 結局ハワーズ・エンド邸の奥様におさまり、そして……
コスチュームプレイに大きなカントリーハウス、 絢爛たる家具調度……と、 いかにも「わぁ、イギリスだなー」の映画ですが、 ドロドロで起伏の激しい人間関係は結構俗っぽくて、 そんなところも魅力ではないかと思うのです。 先ほどは「この映画よりあっちの方が…」というような 書き方をしましたけれど、 もちろん、トンプソンの「元気のいいうるさ型」的女性役は ぴったりはまっていて、 映画にめりはりをつけていました。 ウィルコックス家の当主ヘンリーを、 上流階級か変人か、どっちかの役しかできんのかい!な名優 アンソニー・ホプキンスが 実に嫌らしく演じているのも見どころです。
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