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ハッピィブルー The Pallbearer 1996年アメリカ マット・リーブス監督
突然ですが、大人気のアメリカ製シットコム『フレンズ』、 ごらんになったことはありますか? 今はWOWOWだけでなく、地上波でも古いものが見られるし、 ビデオやDVDも定期的にリリースされているので、 私もやっと去年あたりから見られるようになりました。
その主要メンバー6人の中に、古生物学者ロスがいますね。 メンバーで唯一の子持ちで、ユーモアと知性を持ち合わせた 清潔感のある好男子というイメージですが、 (そういうイメージでごらんになっていない方には悪いですが…) 私がそのロスを演じるデヴィッド・シュワイマーを初めて見たのは、 この『ハッピィブルー』という映画でした。 だものですから、「あの情けない男が、いい役やっているなー」と、 『フレンズ』を初めて見たとき思ったくらいです。 ある意味、ロス役もちょっと情けないところがありますけども。
シュワイマー演じるトムは、職が見つからないので親と同居し、 何となくブラブラしている男です。 ある日、全く覚えていないビルという男の母親から電話があり、 「ビルが死んだので、生前親友だったあなたに 棺の担ぎ人(Pallbearer)をやってほしい」と言われ、 それがきっかけで、妖艶なビルの母(バーバラ・ハーシー)と 肉体関係を持つようになりますが、 その一方、学生時代に憧れていたジュリー(グウィネス・パルトロウ)と 再会し、いいムードになってしまったので、 ややこしくなってしまいます。 その上、婚約者シンシア(トニ・コレット)もいる、 トムの友人で色男のブラッド(マイケル・ラパポート)が、 ジュリーに接近したり…。 さて、トムとジュリーの恋はすんなりうまくいくのか、 そして、ビルの正体って一体?
時々、葬式のシーンをお笑いにくるめてしまい、 「不謹慎だ」と投書でそしられているテレビドラマなどがありますが、 そういうシーンを苦々しく思っている方がこの映画を見たら、 まさに「開いた口がふさがらない」状態かもしれません。 というのも、全体がコミカルなこの映画でも、 葬式のシーンの処理は、かなり“はじけて”いるからです。 私は個人的には不愉快を感じませんでした。 死者ビルに実体というものがないように思えたせいもありますが、 全体のバランスを考えると、悪いシーンではなかった気がします。
昨日の『スウィンガーズ』に引き続き、情けなくも悩み多い 青春の一コマを描いた、いってしまえば小品なのですが、 不思議に心に残る1本でもありますので、お勧めします。
また、下世話なゴシップネタで恐縮ですが、 『フレンズ』のロスの初恋の人レイチェルを演じたのは ジェニファー・アニストン(つまり、ブラッド・ピットの奥様) この映画のジュリーはグウィネス(要するに、ブラピの元カノ)で、 意外なところに共通項がありました。 (その上、映画には役名“ブラッド”の二枚目くんが…) アメリカのショウビズ界は、 この辺のプライベートな恋愛事情を御本人たちもおおっぴらにするし、 パパラッチの頑張り?もあり、変な小ネタで笑いを誘います。 それでいて、皆さん「だから何なんだ」と思うような いい仕事を見せてくださるのが潔くて、うらやましい限りです。
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