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川の流れに草は青々 在那河畔青草青/The Green, Green Grass Of Home 1982年台湾 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督
侯孝賢といえば、『非情城史』『冬冬(トントン)の夏休み』 など多くの名作で知られる、今や台湾映画の重鎮ですが、 昔は軽いタッチの、いわゆるアイドル映画なども撮っていたそうです。 この『川の流れに…』は、その頃撮られた1本で、 70年代の日本の教育映画を思い起こさせるような、 何だか牧歌的でほっこりするお話でした。 (そういう教育的趣旨でつくられた映画かもしれませんが、 エピソードの一部に生々しいところがありました)
大年という青年が、台北から内湾という田舎町に 代用教員としてやってきました。 優しく教育熱心な彼は、すぐに子供たちや町の人々に慕われ、 下宿先のお嬢さんで同僚でもある女性といい関係になりますが、 台北から派手な押しかけフィアンセに来られて困惑したり、 荒っぽい方法で魚をとっている人といさかいが起こり、 それがきっかけで、 「川をきれいにしよう運動」を展開することになったり、 のどかな田舎町ながら、何かと事件が絶えません。
地味、と言い切ってしまいたいほどに何気なく、 見る人の世代や生まれ育った環境によって、 “懐かしさ”と“新鮮さ”と、受ける印象は2つに分かれそうな作品です。 (ちなみに私は、少しだけ懐かしいものを覚えました) そして、俳優の顔も何もろくに覚えていないくせに、 作品の全体像が、不思議なほどにいつまでも心に残りました。 一言でいえば、「ほっとする映画」だと思います。
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