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見たばかりのビデオがなかなか拾い物だったので、今日はこれを。
シーズン・チケット Purely Belter 2000年イギリス マーク・ハーマン監督
『リトル・ヴォイス』『ブラス!』など、 イギリス下層階級の悲喜こもごもを描いては好評の マーク・ハーマン監督作品ですが、 音楽がもう1つの主役だった前2作に比べると、 この映画での音楽は、あくまでBGMの域を出なかったものの、 「サントラ探してみようかな」くらいの興味は湧くものでした。 中でも、ジョン・レノン&ヨーコ・オノの『HAPPY CHRISTMAS』の 使い方など、なかなか皮肉でよかったと思います。
ジョナサン・タロックの原作に材をとったとのことですが、 小さくて細いジェリー(気が強い)と、 太っちょで大きなスーエル(人が好いけどトロい)の組み合わせも、 2人がサッカーのシーズンチケット(500ポンド)をゲットするために あの手この手で資金稼ぎに頑張る姿も(非合法な行いアリ)、 どこか、少年版『フル・モンティ』という風情があります。 でも、もっともっとシビアではありますが。
ジェリーは荒れた家庭環境の中でグレぎみではあるものの、 小さな姪の面倒もよく見て、なかなかいい子なのですが、 いつもつまはじきにされる学校というものに不信感を抱いていて、 まずまじめに登校しようとしません。 そんなとき、ソーシャル・ワーカーから、学校に一定期間通ったら サッカーのタダ券をやると言われ、とりあえず通ったりもしてみます…
1つ達成しかけてはつまずき…の繰り返しですが、 イギリスらしい毒とユーモアと、露骨でない温かみがよく混ざり合い、 最後まで飽きさせない話です。 また、私はサッカーのことをよく知らないのですが、 96年からニューカッスル・ユナイテッドで活躍中のアラン・シアラーも、 自分自身の役で、少しだけ顔を出しています。 2人にとってはアイドルなのですが、その扱いが、 アメリカ映画でよく見るhimself出演とはまた違うのも笑えます。
イギリス映画ファンはもちろん、そうでない方にもお勧めします。 (サッカーファンというには、邦題やビデオジャケットから受けるだろう 印象ほどはお勧めできませんが、いい映画ではあると思います) 私自身は、今まで見たマーク・ハーマン作品の中で、 最も好みでした。
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