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ほんの少し先なのですが、12月12日は、 南インドが誇るスーパースター、ラジニカーントの誕生日だとか。 そういえば、いわゆるマサラムービーを取り上げたことがなかったので、 本日から12日までの4日間、インド映画を特集したいと思います。 (途中で気が変わったらごめんなさい)
本日は、「北インドの織田裕二」出演作を。
ラジュー出世する Raju ban gaya gentleman 1992年インド(ヒンディー語)アズィーズ・ミルザー監督
ダージリンの大学を卒業し、エンジニアとして働くために ボンベイに出たラジュー(シャー・ルク・カーン)は、 就職の力添えをしてくれると思っていた知人に夜逃げされ、 その後、バケツの水を頭からぶっかけられるなど(古典的!) トラブル続きで途方に暮れますが、 「大道哲学者」のジャイという男に助けられ、職探しを始めます。 図書館の整理係の仕事を経て、 結局、自分に水をかけたレヌという女性が、そのことや、 彼に一々つっかかって憎まれ口をたたいたりしたことを反省し、 自分の勤める会社(ゼネコン、みたいな)を紹介するのですが、 これがきっさかけで、レヌ(絵に描いたようなインド美人)と恋に落ち、 すべてが順調、我が世の春を謳歌する…かと思いきや、 会議の席で、都市計画について率直に意見を述べ、 社長令嬢でキレ者のサブナ(こっちもとりあえず美人)に 関心を持たれたことがケチのつき始め。 サブナのラジューへの関心が仕事上でプラスになるのはいいけれど、 それがレヌとの仲にも亀裂を生じさせるわ、 出世欲ギラギラで、ラジューをよく思わない親子の妨害に遭うわで もー大変です。
インド映画をごらんになったことのある方ならおわかりでしょう。 ひたすらひたすら踊る、歌う、踊る……です。 例えば、ラジューの就職が決まったとき、 その辺の人まで巻き込み、“Raju ban gaya gentleman”の大合唱です。 (字幕は「ラジューが出世した」…って、就職決まっただけなのに)
アクションシーンも派手です。ジェームズ・キャメロン並みにしつこい! 人間のすべての感情を1本の映画に込めるのが、 インド娯楽映画の基本だそうですが、 泣きどころも笑いどころも怒りどころも全く半端ではないので、 感情の振幅を大きくして、ココロの底から楽しむに限ります。
大昔から、ミュージカルの傑作は幾つもつくられ、 それらを見てきたつもりでも、 インド映画における唐突な歌と踊りには、 何か特別に反応してしまうのですが、 さきに亡くなったジョージ・ハリスンも傾倒したという エキゾチックな調べもさることながら、 西洋のミュージカルにはない何かがあるのでしょう。 大まじめな国民性が醸し出すおかしさ…といったら意地悪ですが、 そんな感じです。
先ほど、「北インドの織田裕二」と書きましたが、 主演のシャー・ルク・カーンが本当に彼に似ています。 彼も確かに格好いいのですが、 彼の兄貴分的なジャイを演じたおじさまが、 ちょっと血の気の多いスナフキンさんという風情で、またすてきです。 女優の美の競演だけでなく、男優対決!?も楽しんでください。
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