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2001年12月11日(火) アルナーチャラム・踊るスーパースター 

アルナーチャラム・踊るスーパースター Arunachalam
1997年インド(タミル語) スンダルC監督


御存じというべきか、知る人ぞ知ると言うべきか、
南インドのスーパースター、ラジニカーント(以下“ラジニ”)が、
人望の厚い農村の良家の青年と、
都会のヤンエグ!?の両方の顔を見せる、
非常においしい作品です。

村の富豪の息子として信望の厚かったアルナーチャラムは、
身内の結婚式で出会った
ヴェーダヴァッリという美女と恋に落ちますが、
実は自分が捨て子であったことを明かされ、
祖母に反対されて、ヴェーダヴァッリとの結婚を断念。
失意のまま都会マドラスへと旅立ちます。

ところが、マドラスで偶然出会ったわがままな金持ちの令嬢を助け、
彼の父親と会って話したところ、自分が実は、
大実業家だったヴェーダチャラムの息子だったことを知り、
彼が残した遺言を実行しなければ、遺産が相続できないと知ります。
その内容のすさまじさと、もともと金に執着しない性質ゆえ、
最初は相続自体を断ろうとしたアルナーチャラムでしたが、
悪党4人がヴェーダチャラムの遺産を狙っていることを偶然知り、
その連中から遺産を守るため、条件を呑むことにするのですが、
その「条件」とは一体!?
そして、(本当は)富豪の息子でないからと結婚を反対され、
その後一発逆転で大金を手に入れようとしている状況で、
ヴェーダヴァッリとの恋の行方は?

アルナーチャラムと「ビデオ出演」のヴェーダチャラムの両方を
ラジニが演じていました。
遺産を相続するための条件を、
ここに書いたらネタばれになるかどうかわかりませんが、
何も知らない状態でごらんになった方が、絶対楽しめると思います。

ヴェーダチャラムの話の中で、
自分がまだ幼かった頃、タバコを吸っているところを父親に見られ、
父親は、自分がタバコをやめるように、
タバコなど見るのも嫌になるほど吸わせるという
逆療法をとった、そんなエピソードがありました。
まあ、その辺がヒントです。
ヴェーダチャラムは、アルナーチャラムに相続させるに当たり、
金の亡者にだけはなってほしくなかったのでしょう。

ストーリーの性質上、この映画のラジニはとにかく着替えまくります。
そこへ加えて、メーンとなる人物中に美女2人ですから、
嫌でもスクリーンは華やかになります。
ただ、ヒーローをめぐる美女2人というと、
さきに御紹介した『ラジュー出世する』でも見られたように、
恋のさやあてやら、強い方の弱い方への攻勢などを連想しますが、
この映画では、「どちらかというと強そうな方」の彼女も、
最初はわがままでも、基本的に性格がよかったので、
ちょっと気の毒な健気さを見せてくれました。

数々の矛盾に片目をつぶり、
もう片方の目で華やかな画ヅラを楽しめるゆとりのある方に、
特にお勧めします。


ユリノキマリ |MAILHomePage