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あなたのために Where the Heart Is 2000年アメリカ マット・ウィリアムズ監督
主演はナタリー・ポートマンです。 出産間近なのに、恋人にスーパー“ウォルマート”に置き去りにされ、 文無しで行くところもなく、仕方なしにスーパーにこっそり住みついて、 そこでお産をしてしまったお人好しの少女ノヴァリーを演じました。
彼女が「スーパーマーケット・マミー」として有名になり、 TVで取り上げられた途端、魂胆アリアリで近づいてきたのは、 彼女を5歳のときに捨てた母親(サリー・フィールド)でした。 彼女は母親の言葉を信じ、退院後迎えにきてくれるのを待ちますが、 結局は“ウォルマート”からもらった500ドルを持ち逃げされておしまい。 そんな彼女を助けてくれたのは、親切なことこの上ない シスター・ハズバンド(ストッカード・チャニング)でした。
ホワイト・トラッシュと呼ばれる階層が、アメリカにはあるそうですね。 つまり、いわゆるマイノリティーの人たちが、 福利厚生面で比較的優遇してもらえるのに対し、 白人はどうしても自助努力を求められるがために、 金なし、やる気なしとなると、崩れた生活に甘んじて、 文字通り「白いゴミ」になってしまうということのようで。 ノヴァリーもそんな1人でしたが、 気質が素直で、写真の才能を磨いて自信をつけていく彼女には、 シスターのみならず、 周りの人々が手を差し延べずにいられないようでした。
中でも彼女の出産の手助けをしてくれた図書館員フォーニーとは、 その後いいムードになるのですが、 知的で優しく家柄もいい彼に愛を告白されても、 自分は彼にはふさわしい女ではないと気後れし、拒絶します… が、1度は自分を不幸のどん底にたたき落としたある人物の言葉に 皮肉にも後押しされた彼女は、 自分のすべきことを勇気を持って実行しました。
4人の子持ちのたくましい母親…のイメージからは程遠いのけれど、 ノヴァリーの姐御的存在になって励ます女性レクシーを、 美女アシュレー・ジャッドが演じました。 私、自慢ではありませんが、 彼女が以前起用されていた自動車会社某H社のCMを見ていて、 その後シャーリーズ・セロンに代替わりしたとき、 かなり経つまで全く気づきませんでした。 なぜに金髪美女は皆同じに見えてしまうのでしょう…という認識だったのに、 この映画での彼女は、地に足がついているようで、 結構クズ男にだまされたりする愛すべき女性を好演していて、 すっかりファンになりました。
見ていて頭に浮かんだ言葉は“渡る世間に鬼はなし”でしたが、 さすがにこの邦題じゃなくてよかったと思います。 ナタリー・ポートマン初めて素直にかわいいと思えた作品でもあります。 (以前から美人だとは思っていましたが、女優として好みじゃなかったので) 欺瞞的に思える方もいらっしゃるかもしれませんが、 「にんげんていいな」と思える好編としてお勧めします。
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