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2001年11月15日(木) パパとマチルダ 

毎月15日は、レンタルビデオの日だとか。
それに因んだイベントを催しているお店があるのかどうか、
寡聞にして知りませんけれども、
ならば、レンタルビデオならではの楽しみ、
「日本未公開作品」を御紹介しましょう。

パパとマチルダ A Simple Twist of Fate
1994年アメリカ ギリース・マッキノン監督


コメディアンのカリスマともいえるスティーブ・マーチンですが、
そのルックスは、どちらかというとエグゼクティブ風というか、
例えばコメディーでも『大災難P.T.A』みたいな
エリート役が似合う気がしますが、
この映画では、世捨て人同然の生活を送る貧しい家具職人で、
彼に思いを寄せる女性(キャサリン・オハラ)のアプローチにも
全く気づかない、くたびれてうらぶれた男としてまず登場します。

原作は、ジョージ・エリオットの『サイラス・マーナー』だとか。
現代風にアレンジされているとはいえ、
大筋ではかなり忠実につくられているようです。
ジャケットの写真は、立ち姿勢のマーチンと、
「ああ、この子がマチルダか」とすぐわかる、
腰に赤いリボンをつけた幼女の2ショットで、
(映画を観れば、赤いリボンの意味がすぐわかります)
店によっては、ファミリー向けとして分類されているところも
あるかもしれませんが、
どちらかというと、大人が見た方が感じ入るドラマです。

さて、その世捨て人マイケル(という役名でした)は、
ある雪の日、女の赤ん坊を保護し、“マチルダ”と名付け、
つましい生活の中で、愛情をたっぷりとかけて育てます。
マチルダも、マイケルパパをこの上なく愛していました。

が、マチルダは実は、町の権力者(ガブリエル・バーン)が
外で浮気をして、薬物中毒の女性に産ませた子供でした。
最初はマイケルが育てているのを厄介払いできた、
くらいの気持ちで見ていた彼ですが、
自分と妻(ローラ・リニー)との間に子供ができないことに焦り始め、
突然、マチルダの実の親として名のりをあげたため、
親権を争う裁判になりました。

マイケルの収入が少なく、彼女の将来を考えると、
大金持ちの実の親に引き取られた方が…という見方が濃厚なのと、
キャサリン・オハラ(役名が出てこない…)が、
マイケルのためによかれと思ってした証言が、
逆に幼児虐待の疑惑を持ってみられてしまったり、
マイケルの敗色は強まってしまうのですが…

裁判の時点で、少女は12〜13歳くらいだと思いますが、
幼年期もかなりの段階(3〜4)に細かく分け、
丁寧に描写されています。
しかも、ああ、さすがはアメリカだなーと思ったのは、
その少女の成長を、どうやらある実の姉妹が段階を踏んで
演じていたようなのですね。
(名前忘れてしまったのですが、みんな同じ姓でした)
というような感じで、役者もそろっています。
ガブリエル・バーンのでき損ないの弟役で、
『ユージュアル・サスペクツ』でも共演した
スティーブ・ボールドウィンが出演していました。

どちらかというと、クリスマス映画の変化球として
お勧めしたい1本ですが、
とりあえず、何かの参考にリストアップしていて損はないと思います。


ユリノキマリ |MAILHomePage