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2001年11月14日(水) プルガサリ

プルガサリ Pulgasari
1985年朝鮮民主主義人民共和国


失礼ながら、かなりキワモノ感漂う映画ながら、
3年前に日本公開された折は、かなり話題になったので、
ごらんになった方もいらっしゃるのでは?

私はいわゆる“怪獣映画”には全く詳しくないので、
いつものように自分の印象で書くのみですが、
小さい頃に見た『キングコング』を思い出しました。
(ジェシカ・ラングが出ていた方ね)
可憐な美女と巨大化け物の、涙誘う物語です。

背景にあるのは、為政者の横暴により、
鉄製の農機具を取り上げられて困ってしまった農民タクセが、
それを阻止するために、
「プルガサリが出てきて、全部食っちまったー」と嘘をつき、
捕らえられて獄死するものの、
獄中でつくった「ブルガサリ人形」を娘アミに託します。
すると!嘘から出たまことというやつで、
このプルガサリ人形が、本当に裁縫針や何かを食って
徐々に巨大化してしまうのですね…

で、プルちゃんは抑えつけられていた農民たちを救うのですが、
それは結果論で、彼はただ平和が訪れた後も、
「御飯」としての鉄製品を食ってしまい、
厄介ものになってしまうわけです。
さあさ、どうなるプルちゃん?そして、彼と心を通わせる美女アミは?

興味深いモチーフではありますが、
プロット自体はよくあるもので、理解はしやすい話だと思います。
プルガサリはゴジラ系ルックスですが、
もとがチビ人形だったこともあり、
妙に愛嬌があってかわいいのです。
(実際、プルガサリとミニガサリのフィギュアなんてのも発売されたとか)

1つだけどうしても気になったのが、
アミが裸で若い男と同衾しているシーンでした。
最初は夫婦かと思ったのですが、どうも弟のようなのです。
そういう習慣のある村なのかもしれませんが、非常に紛らわしく、
また気になるものでした。
映画の大筋には関係ないのですが…

設定は時代がかっているとはいえ、
あの近くて遠い国の人たちの物の見方が、
カケラだけでも見える気がしました。
あの映画好きとしても知られる金正日が、
製作にはかなり関わったとか。

余談ですが、長女と仲のいい級友の1人で朝鮮人の女の子がいて、
友人数人と彼女の家に遊びにいった際、彼女と彼女の兄が、
1人の子を指して『あの子は男か女か』と、
目の前で朝鮮語と日本語でもめたそうです…
ワタクシ、その“あの子”母親でございます…


ユリノキマリ |MAILHomePage