Dailymovie
DiaryINDEX|past|will
11月3日(文化の日)を挟んだ2週間は、いわゆる読書週間です。 ということで、本や読書にこだわった映画に しばらくの間目を向けようかと。 途中で気が変わるかもしれませんが、おつき合いくださいませ。
読書する女 La Lectrice 1988年フランス ミシェル・ドビル監督
声が美しいと褒められた女性マリー(ミュウ・ミュウ)が、 あらゆる年齢や境遇の人のために、 朗読のボランティアをするという内容の小説を、 人妻コンスタンス(ミュウ・ミュウ二役)が、 夫にベッドで読んで聞かせるというお話。 次第にコンスタンスはマリーと自分を重ね合わせていきますが…
ちょっとエロチックな描写もあったりして、 結構退屈しないつくりになっています。 (といっても、R指定などにはなっていないはず。ギリギリです)
一言で言うと、いわゆるオシャレな映画に分類されるのでしょうが、 「本を読む私って、知的でおしゃれっぽい♪」というポーズでなく、 心身ともに書物を求めていて、なおかつその本能に正直である…… それだけで、かなり官能的なものを感じます。
私はクラシック音楽には暗いのですが、 ベートーヴェンのピアノソナタが、 シーンのテーマカラーに合わせて効果的に使われているあたりも 見どころのようです。 (見どころです、と言い切れるほど理解できなかったので)
ところで、映画化作品は見ていないのですが、 スイス人作家デヴィッド・ゾペディが日本語で書いた小説『いちげんさん』でも、 小説の朗読シーンが重要ポイントになっていました。 外国人留学生が、目の不自由な日本人女性の朗読ボランティアをし、 やがて彼女と恋に落ちるという話ですが、 「濃厚なラブシーンが出てくるような官能的な話が聞きたい」 と言う彼女に、主人公の青年が読んで聞かせたのは、 アナイス・ニンの『ヘンリー&ジューン』だったと記憶しています。 (違っていたら、ごめんなさい。そういえば、これも映画になりましたね)
それはさておき。
見終えたとき、実生活とは全く縁のないようなタイプの小説を 読みたいような気分になる映画です。 私は、キャリル・リヴァースの『ヴァージンズ』という青春小説を読んで、 50年代の女学生気分を味わいました。
|